営みの本来のペース感 | 3年前のしこうの楽しみ

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東北のとある地域にやって来ました。
名前は知っているものの実は初めての場所です。
あちこちに出向いている自分にとってこれは珍しいことかもしれません。

縁のない数少ない土地だったわけです。
そこに導かれたのでしょうか。
こんな機会もなければなかなか行こうと思わなかったでしょう。

今回は大学院のフィールドワークへの参加がその理由です。
ちなみに「次代を拓くソーシャルリーダーに学ぶ」という科目です。
案内の段階では地域活性の取り組みの印象でした。

とはいえ震災の影響が大きかった地域ではあります。
なので何となく関連があると感じてはいました。
ただ実際に来てみると内容は復興に向けた取り組みにフォーカスされていました。

なのでリーダーから学ぶというよりはその現実を見つめるという性質が強いように思います。
戦後の平和学習に似た意味合いだということです。
違いは未だにその傷がまざまざと残っていることでしょう。

目の当たりにすると復興はまだまだ進んでいないという印象です。
これは想像よりも遥かに遅い感じです。
とはいえそれが悪いことでもありません。

むしろ人の営みのペースの限界というものを体感するかのようです。
川の周囲では護岸工事が急ピッチに進められていますがいつ終わるのか予想もつきません。
完成するのはあと何年先だろうと思います。

そのくらいひとまずの状態で日常が進んでいます。
一方でそれを行うことに意味があるのかという気もします。
もちろん周辺の住民にとっての安全には重要なことでしょう。

しかしありのままの自然の美しさは失われるわけです。
少なくとも人が改変していない日本の自然の状態が今のここにはあります。
それは北海道以外では珍しいことです。

こういった視点からも震災前の状態に戻るのが良いのか疑問はあるわけです。
そういった自然があるからこそ本来の恵みがあることも事実です。
いずれにせよ現地に出向いて肌で感じることの重要性を再確認したのでした。

谷 孝祐
2017.2.18 17:43