食欲にも流れというものがあるのでしょうか。
そしてその変化が急激に訪れることもあるのでしょうか。
そんなことを感じる体験がありました。
そのきっかけは登山だったのでしょうか。
またはカリブの島々での滞在だったのでしょうか。
振り返ればこの海外で少なくとも変化が起きていたことが認識できました。
明確に覚えているのは出国した日からのことでした。
何となく食べるということが減っていたように思います。
言い方を変えれば食べたくなければ口に運ばない度合いが上がったというところでしょうか。
前からその傾向はあったものの明確な線引きはありませんでした。
今になって思えばそれは努力目標程度のものだったのかもしれません。
しかし今回は明らかに機内食を受け付けない度合いが上がっていたのでした。
食べたい分だけ食べてあとは残すということが自然に徹底された印象でした。
こんな感じなので現地に着いてからも必然的に食事の量が減りました。
まるで意識的に制限しているような状況でしたがそれがナチュラルな感覚でした。
ということで朝食のビュッフェでも取りすぎることはありませんでした。
これまた自分の中では珍しいことでした。
もともと他の人よりは少量でしたが雰囲気につられて種類を多く取ってしまうこともあったわけです。
そう考えるとその場の影響を受けにくくなっていたのかもしれません。
それと同様にアルコールの摂取も激減しました。
旅の中で一度もビールを飲まなかったのは初めてかもしれません。
場合によっては水代わりにビールということもあったくらいです。
それがなくなったのは面白いことだと思います。
それだけでなくワイン以外は一度も口にしなかったのでした。
しかもそのワインですら往復の機内以外には16日中4回という状況でした。
この結果お酒に弱くなったかもしれないと感じるほどでした。
そんなわけで今更ながら健康的な旅だった気がします。
逆に客観的には旅行者らしくなかったようにも評価できそうです。
ただこれは自分の感覚の鮮明さが維持される効果がありました。
もしかしたら潜在的には状態を保つシビアさを感じていてのことだったのかもしれません。
だからこそ自然にこうなったと言うと説明がつくようにも思います。
より微細な感性は食事の状況に左右されるのでしょうか。
ならばさらに自分に合った形を見出したいものです。
谷 孝祐
2016.9.27 23:01