3泊4日の山行を終え無事に下山しました。
こんな長丁場は初めての経験でした。
その影響なのか自分にとっての登山の意義が変わったように思います。
思い返せば山に登ることはほぼ修行のようなものでした。
喜びは山頂から見られる絶景くらいのものだったのです。
それでもこれで得られるものの効果は他にないと感じていました。
心身を高めるのには効率的なわけです。
こういった実感は大きなものでした。
だからこそ細々とではあるものの自主的に続けてきたのでしょう。
年に一度くらいは本格的な山に行かないと体が鈍る気がしていました。
体験してきたことの蓄積が今回は臨界点に達したのでしょうか。
今までで一番の過酷さが逆にその味わいを感じさせたのかもしれません。
初日は標準タイム5時間強とウォーミングアップのような距離でした。
とはいえ想像以上にアップダウンがあり多少の厳しさもありました。
そして2日目はそれをさらに大変にした印象でした。
1日目のおおよそ倍の行程で標高差も800mくらいありました。
上ったり下ったりしながら最後に延々山頂を目指すという負荷の強い道のりでした。
3日目になると多少は緩やかになった様子でした。
しかしある意味においてここからが本番でした。
この日は通常13時間弱の長さだったのです。
長距離登山は日帰りで経験があったものの連泊の縦走ではありませんでした。
酸素の薄い高地で疲労の蓄積もある中では条件が異なります。
ある意味においてトレーニングのようなものになったのでしょうか。
どこかで意識が変わったのでしょう。
初めて登山そのものが楽しいと思えたのでした。
単純に山を歩くこと自体を面白いと思えたのです。
自分にとって未知の領域となる最終日は強力な仕上げというところだったのかもしれません。
標準は12時間半弱とその前日に比べればほんの少し短い状況でした。
ただ後半は標高差1800mを一気に下るコースでした。
これまた初めてで体がもつのか懸念がありました。
前半を抑え気味のペースで体力を温存していきました。
それが良かったのか順調に下山できました。
4日間合計で休憩も含めて27時間10分でのゴールでした。
なかなか良いペースで進めたものだと思います。
きっと今回認識に違いが出た前提として今までの内面の変化も寄与していることでしょう。
少なくとも山小屋泊を受け取れるようになったのは大きかった気がします。
写真は今回のベストショットです。
谷 孝祐
2016.9.13 16:21