知らなかった戦争体験 | 3年前のしこうの楽しみ

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少し前のことになりますが、母方の祖母と1泊の温泉旅行に行きました。
当初は祖父も来ることになっていたのですが、入院して来れなくなってしまいました。
なんとなしに今までのお礼を兼ねてという気持ちだったので、これは少し残念でした。

かといって直前の予定変更というわけにもいかず、このような形になったのでした。
前々から一度は温泉に連れて行こうと思ってはいましたが、実行したことはありませんでした。
祖父母への感謝はあるものの十分に形にしたことがなかったのです。

気恥ずかしいとかというわけではなく、忙しさに埋もれてしまっていたのでしょう。
今回もそれをふと思い出したことがきっかけでした。
今までとの違いは、そのうち、という発想にならなかったことです。

なぜだかタイミングなような気がしたのでした。
そんなわけで大学院の講義も休んで行くことにしたのでした。
理由はわからないものの、そちらの方が優先順位が高く感じたのでした。

それでも、結局もところ半分しか達成できなかったことになるでしょう。
ただ、これはこれで良かったのかもしれません。
なぜなら、自分はこの祖母に育てられた部分も大きいという実感があるためです。

親族の中で一番一緒に過ごす時間が長く、関わりが深かったのです。
親にはさせてもらえない、多くの未知の体験をさせてくれたのもこの人でした。
しかし、大人になってからはほとんど一緒に過ごす機会はなくなっていたのでした。

会うこともお正月などの親族一同で集まる時のみになっていました。
そういった状況を全て埋め合わせてくれる機会になったかもしれません。
また、今まで聞いたことのない話題が出てきたことで得るものがあったように感じます。

特に戦争中のことは印象的でした。
深刻な感じもなく淡々と横浜の空襲の時のことを語ってくれたのでした。
これといった意味づけもなく淡々と続くストーリーはむしろ響いたのでした。

思い返せば今まで戦争に匂いを祖母から感じたことはなかったのでした。
祖父の特攻隊に行くことになっていたという話は何度か聞いていたものの、まだまだ自分にとっては実感の持てない話だったのでしょう。
それと共に自分のリアル感に手繰り寄せられた気がします。

同時に、祖父との馴れ初めも教えてくれました。
本人も言っていた通り、まるでドラマのような出会いがあったのでした。
その絵が浮かぶくらい新鮮さが保たれているようにすら伝わってきました。

ということで、その人生そのものに触れられた感覚があったのでした。
これは自分にとっては本当に貴重な時間でした。
ふと、偉人賢人から学ぶことよりも自分の両親や祖父母の人生をリアルに感じられるくらい知ることの方が重要なのではないかと感じたのでした。

谷 孝祐
2016.5.13 23:29