数日前に朝一便の飛行機に乗りました。
それは行き先における一便ではなく羽田空港の始発という意味です。
航空便はよく利用するものの、これは初めての体験でした。
そして、普段との違いを実感しました。
出発は6:10の予定でした。
なので、空港には5時台に着く必要があります。
6時過ぎに空港へ行ったことは何度もあるものの、これも初めてでした。
言うならばほんの30分程度早いだけです。
ただ、雰囲気の上ではこれは大きな違いでした。
思ったよりも通行量の多い首都高を走り、まだ暗いながらも夜が明ける空気を感じつつ、車で5:40くらいに到着しました。
しかし、空港はまだ閑散としています。
人もまばらというよりはほぼいないという状況です。
カウンターなどは開いているのものの、全体的に活動が始まる前という印象でした。
それは、今までどこでも感じたことのない独特の空気感でした。
あえて似たものを上げるのであれば、開演前の遊園地というイメージでしょうか。
なので、少し入ってはいけない時間に来てしまったような気もしました。
そんなことを感じながら保安検査場を通過してラウンジへ立ち寄りました。
当然のことながら、こちらの他にはほとんど人がいない様子でした。
そんなわけで、なぜだかいつもよりも無機質のような感じを受けました。
もちろんスタッフはいるものの、人の気配が全くないような様子でした。
少しだけそこで過ごし、すぐ近くの搭乗口へ向かいました。
乗る人もそんなに多くないのか、多少余裕があったにも関わらず最後の搭乗者となりました。
こうして始発に乗ったわけですが、ちょうど機内から朝焼けを見ることができました。
羽田空港の滑走路からだと東京湾越しに房総半島が見え、ここにしかない美しさを味わうことができます。
それは離陸とともに何かが始まる予兆のように、神々しい色のグラデーションだったように思います。
これを見れただけでも早起きした甲斐があったというものでした。
しかし、面白かったのが乗客のほとんど全員が寝ているということです。
これは少し異様な光景でした。
なぜだか生気がない感じなのです。
なんとなく別世界にやってきてしまったようなイメージです。
それにしても、ほんの少しの違いが大きな違いを生み出すことを体感したのでした。
谷 孝祐
2015.12.8 22:57