初めてふれた政策の裏側の話 | 3年前のしこうの楽しみ

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数日前のビジネススクールでのことです。
医療業界をマクロな視点からとらえることが今期のテーマの講義で、その日は医療に関する政策に詳しい方がゲストスピーカーでした。
実際に厚生労働大臣の参与としてご意見番も務めている人です。

ただ、この時の立場は国とは関係のない独立したNPOである政策機構で行っている内容についてでした。
そのため、客観的な視点からしがらみのない話が聞けて面白かったです。
印象に残ったのは、要するに医療にまつわる政策は大変で時間がかかるということでした。

聞いている限りでは八方塞がりの感が否めません。
経済成長よりも医療費の上がるペースが速い昨今の状況から抜け出すのはほぼ無理かもしれないという印象です。
その理由は、自分の立場からしか発言しない人が多いことや既得権益がある人の政治力の強さが大きな障壁となっているとのことでした。

政治家がこの分野においてやらなければならないことを進めようとすれば、横やりが入らないことはありえないというイメージでした。
問題解決のための答えがわかっていても、内容によっては30回政権が潰れても実現しないものがありうると、冗談交じりにおっしゃっていました。
今年になって発表した政策提言内容についても、マスコミで報道されるやいなや3日間くらい抗議の電話が鳴り続けたそうです。

そして、神奈川県の受動喫煙防止条例についても少し触れられていました。
個人的にはこれによって、飲食店やホテルなどが全面禁煙または分煙になったことを覚えています。
自分はいつしかこの状況に慣れてしまったのか、他の都道府県でお店に入った時に全面喫煙であることに驚いたこともありました。

そのくらい神奈川県ではスムーズに浸透していたのです。
しかし、今回これが奇跡のようなことであったということがわかりました。
当時の県知事の命がけの取り組みがあったからこそのようです。

本当に命の危険を感じるほどだったらしいです。
政治の世界ではそういうこともあるかとは思っていましたが、本当に渦中にいる人から聞くととらえられるリアル感が全く違いました。
そして、世の中に何かを働きかけて成し遂げようとするならそのくらいの覚悟が必要だということが実感できました。

とても刺激になった貴重な時間でした。
これを生かして自分のやるべきことへの志を深めていきたいと思います。

谷 孝祐
2015.11.14 19:04