車で秋田まで行ってきました。
目的は毎年恒例のお墓参りでした。
しかし、例年よりも予定がタイトで強行軍といった感じだったのかもしれません。
いつもはそこまで距離を意識しないままに途中で宿泊しながら行っていたですが、今回は往復とも一気に移動したのでした。
そうなると今まで気づかなかったことを実感するものです。
その一番は、仙台が秋田までのだいたいの中間地点になることとともに、秋田よりも山形の方が圧倒的に近いということでした。
これは数値的な距離としては認識があったものの、感覚的な距離が大幅に実際とずれていたということを意味します。
何となく東北は一括りになっていて、距離感が不正確だったわけです。
それが修正されると面白いもので、なぜだかそれぞれの土地の違いを知覚しやすくなったのでした。
結果的に南東北と北東北というカテゴライズも感覚的に理解できるようになりました。
さて、時期が時期ということもあり、渋滞に巻き込まれました。
事前に道路公団の渋滞予測を調べると大したことはなさそうだったのですが、帰りは予測も大幅に外れて想定外の状況でした。
お盆明けに帰る車と仕事の始まったトラックが重なって、終始交通量が多かった印象でした。
雨もかなり降っていて各パーキングエリアも渋滞していたので、途中休憩もせずに福島と郡山の間の安達太良山まで5時間弱走り続けました。
そこで、その先の渋滞情報を調べると予定通り東北道で行くと合計で60km以上の渋滞を通過することになることが分かりました。
これはそのまま行けば初めての体験です。
以前は渋滞が嫌いでこの時期に移動しなかったことや、時間を外して深夜に移動していたことを思い出しました。
前の自分であれば、この状況下ではどこかに泊まることも考えていたでしょう。
それがなくなったという意味で、渋滞に対する反応がなくなったことが知覚できました。
ということで、常磐道を回るという選択肢を持ちつつも、テレビでしか見たことのない状況を体験してみても良いかという気分で出発しました。
ところが、東北道から常磐道方面に分岐する郡山JCT直前で、ナビに情報が入ってきました。
東北道だと6時間以上かかるのに対し、常磐道を回れば3時間程度だということが分かったのです。
ここで、滅多にできない貴重な体験を取るのか、早く帰るのを取るのかという選択が迫られました。
少し悩みましたが、どんなにそれが貴重な機会であっても、あえて大変な道を選ぶ必要もないだろうと考えて、渋滞のない常磐道経由を選びました。
あとから振り返ると、何となく人生の選択が投影されている気がして、こちらを選んで良かったと思ったのでした。
個人的には反応なく主体的にスムーズな方を選んだことに意味があった気がします。
谷 孝祐
2015.8.18 23:02