暖簾に腕押しの合奏 | 3年前のしこうの楽しみ

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久々に中学校の吹奏楽部の指導に行きました。
中学生を相手にするのは何年ぶりでしょうか。
昔は毎週のようにそんな機会があったわけですが、いつしかそれも自分の中では遠い過去のことのようになっていました。

思い返しても推測の域を出ませんが、5年は経っているであろうということに確かさを感じます。
さて、今回は初めて行く学校でした。
どうやら全くと言っていいほど専門家の指導は入っていないようで、ここまでの状況は初めてだと思うほどでした。

これは悪い意味ではなく、驚きはありつつもまっさらな状態であったということです。
良くも悪くも、意識すべき方向性が明示されておらず、努力すべきポイントが楽譜の音を並べるだけになっているようでした。
先生も慣れていない様子で、自分の持っていた吹奏楽部というもののイメージとは大きく異なっていました。

とはいえ、どことなく宗教がかった集団とどちらが良いのかは一長一短でしょう。
こちらの方が、ストレスをかけずに音楽を楽しめるという可能性もなくはありません。
自分の常識は、限られた世界での話だということが改めて理解できました。

そして、同じことを行うとしても様々なスタイルがあってしかるべきだということが実感できました。
それにしても、まっさらだったのか中学生の特性なのか、教わったことに対する吸収力は目を見張るものがありました。
表情などの反応は暖簾に腕押しのような印象もありましたが、ちゃんとやろうとしていることが如実に音にあらわれていました。

このギャップもなかなか面白いものでした
それと同時に、以前は過去の自分の象徴だったような部活指導というものが、新たな感覚をもってとらえられるようになりました。
おそらく、それに対する意味づけがなくなり、フラットにとらえられるようになったのでしょう。

意外にも、穏やかながら受け取るものの大きな時間となったのでした。

谷 孝祐
2015.1.24 23:56