人生初の校了 | 3年前のしこうの楽しみ

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原稿の最終チェックが終わりました。
確認程度かと思いきや案外大変なものでした。
校正者や編集者の微調整の提案箇所があちこちにありました。

今まで以上に多い印象です。
しかし、もちろんそれはありがたいことでもあります。
最後までより良くしようとしてくれている様子が伺えるからです。

そんなわけでこちらもしっかり見ざるを得ない状況になりました。
最初の原稿提出前の大幅な手直しから数えて、4回目の直し作業になりました。
毎回一日がかりのようなもので、原石に磨きをかけて人に見せられる状態にしている作業であるかのようにも感じます。

チェックする時の目的や意図によって、みつかる修正点が異なったり読みやすい表現の仕方が違ったり、なかなか面白いものです。
この回数を重ねても誤字脱字が出てくることから、完璧なものを作ることの難しさを感じさせられます。
そして、次第に自分の文章なのかどうなのか分からなくなってくることもあります。

それは良い意味で完成度を追求する気持ちを削いでくれます。
存在し得ない完璧な書を作るという幻想から解放させてくれるのです。
そうやって元にあった粗が除かれていくということなのでしょうか。

できる限り読者の視点でチェックを行おうとするうちに、自分のものである感覚がなくなっていくのでしょうか。
個人的にはこの変化は望ましいように思いました。
何となく世に旅立つ原稿を見送るようでもあります。

うまいこと手離れていくようなイメージでもあります。
そんなことを思いながら完了すると、結果的に他人の原稿チェックが終わったのと同じような心持ちになりました。
要するに単純に作業が終わった感じです。

労力をかけている分だけ思いいれも強くなりそうなものですが、それを超えてフラットな心理状態になることもあるものだと実感しました。
あとは完成を待つのみ、発売日決定の知らせを待とうと思います。

谷孝祐
2014.10.13 23:40