フレンチのディナーをいただいた時のことです。
全く関係ないと思われますが、壁が真っ白だからなのか、どことなく修道院のような空気感を漂わせるレストランでした。
そこでは、ソースをちゃんと使ったクラシカルなスタイルですが薄味の料理が供されました。
ワインもそこそこ気の利いたものがあり、片田舎の小さなお店は十分に楽しめるものでした。
派手さはないもののここだけの味を表現されているようでした。
しかし、何の影響だったのか異常事態が起きました。
といってもあくまで自分の中でのことで、お店のスタッフや同席者が異常に感じることはなかったようです。
ただ、今にも寝てしまいそうにうつったくらいでしょう。
実際に、食事は滞りなく進められていました。
ところが、よく思い返すとデザートの時の記憶がないのです。
デザートの前のチーズを選んで食べた記憶と、後の紅茶を選んでお菓子と共にいただいた記憶はあるのに、そこだけ全く思い出すことができません。
それなりにワインの量を飲んでいたので、レストランにいる時にはこのことに気づいていませんでした。
お茶の時にトイレに立ち上がって戻ってきた時に、ふとデザートを食べたか疑問に思ったけれど立ち消えた程度でした。
でもこの一瞬の疑問が心に引っかかっていたのか、あとから何のデザートを食べたか同席していた人に尋ねてみました。
どうやら、デザートはワゴンサービスで7種類の中から選ぶスタイルだったようです。
そこで、確かにデザートのワゴンが置いてあった記憶は明確にあるのも関わらず、自分で選んだ記憶もそれを食べた記憶もないことがわかりました。
人によってはよくあるのかもしれませんが、今まで飲みすぎて記憶がなくなったということも一度もなかったので、不可解なことのように思いました。
通常であれば、前日に食べたコースの一品一品のイメージは記憶に残っています。
デザート以降記憶がないならまだしも、デザートだけが欠落しているというのは疑問です。
自分としてはかなり驚いたことではありますが、ひとまずそういった自分があることも認めてみようと思います。
谷孝祐
2014.3.27 15:46