完璧な白トリュフコース | 3年前のしこうの楽しみ

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先日、例年行っている白トリュフの会が無事終了しました。
今年はフレンチらしいエッセンスを多めに入れながら、この特別なコースの個性を出した感じでした。

アミューズの「白トリュフと海苔のビスキュイをシンプルに」から始まりました。
イメージは板海苔に白トリュフのスライスが乗っている一口サイズのもので、今年の白トリュフの高貴な香りを海苔の風味が後押ししつつ、 コースへの期待感を高めるというか、これだけで終わっても大満足という完成度でした。

続く、冷前菜は「長崎沖玄界灘虎魚のカルパッチョ 白トリュフの香りと共に肝を使ったホワイトバルサミコのソースで」でした。
最も状態の良いオコゼのカルパッチョは初体験の絶妙の食感で、噛むたびに白トリュフとホワイトバルサミコのハーモニーが弾けて香るようでした。

次に温前菜として、「北海道阿寒湖産エクルヴィスと鎌倉プティレギュームのロワイヤルスープ 白トリュフを軽やかに」が供されました。
ロワイヤルスープは茶碗蒸しのようなものの上にうっすらとスープが乗るというフレンチ定番のスタイルです。

そのスープの部分にエクルヴィス(ザリガニ)と小さい野菜も乗っている感じでした。
白トリュフの香りがそれらを統率し全てを包み込むような印象で、一体感を生みだしていました。

そこから続くように、お口直しの「柿、苺、ミルクの三種グラニテのマリアージュ」でした。
名前に登場しないものの、白トリュフのグラニテを作るとしたらどうなるかというベクトルで考えられたものです。
柿、苺、ミルクが見事に調和し、お口直しにならないくらいのインパクトのボリューム感で、白トリュフの味わいを深めてくれたのでした。

メインは、「世界一と言われるフランス・ブレス産シャポンと白トリュフをロッシーニ風のイメージで シャポンのコンソメソース」でした。
5月くらいから、今年のメインはロッシーニスタイルでと固まっていたイメージが見事に再現されました。

シャポン(鳥)に包まれたフォアグラが旨味を凝縮させ、そこに白トリュフが遠くから語りかけるようなバランスの味わいでした。
異次元時空のロッシーニという言葉が浮かびました。

締めに定番の「白トリュフと昆布のお茶漬け」を経て、デザート・小菓子へ続きました。
デザートの「白トリュフの香るマスカルポーネのクリーム ティラミスのイメージで 洋梨のコンポート、アカシアハチミツのグラスと共に」をはじめ、 小菓子の「白トリュフの香る生キャラメル、白花豆のモンブラン」も最後の最後まで堪能させてくれるというか、 量こそ多くないもののメインが続いているようなテンションを感じさせるのでした。

終わってみて、全く同じコースをもう一度味わいたいと感じたのは初めてだと思ったのでした。

2013.12.9 13:08 谷孝祐