前回の続き。
<初めてブログを訪れる方はこちらをご覧ください>
<息子が生まれてからの物語スタートはこちら>
息子が生まれてからの物語95話目
まだ麻酔が効いているようで
ベッドの上で眠ったままだ。
首には包帯がぐるぐる巻きにしてある。
「しょうちゃん、
がんばったね」
息子の手を握ると、
涙がこぼれてきた。
首は包帯でおおわれているが、
手術であごの下から首の付け根まで
十文字に切開されている。
気管の中にはモールドが入れられ、
気管切開したところには
Tチューブという管が入っている。
手術後も麻酔でしばらく眠っていたが、
次第に目が覚めてきた。
苦しそうな表情をしている。
「しょうちゃん、
がんばったね」
「きついよね。
苦しかったろ」
「手術は成功したよ。
口から呼吸できるようになるし、
声も出せるようになるよ」
私も妻も息子の手を握りながら、
同じような言葉を繰り返した。
今、息子にしてやれることは何もない。
ただ、そばにいてあげることだけだ。
続く。
《お知らせ》
●12月26日(火)大きな幸せに気づいたお話し会 in 府中市