朝礼の後に、管理部門のスタッフが近づいて来ました。
スーツの上着は脱いで、ワイシャツになっています。暑いのかな?そして、そのジャケットを私の目の前に突き出して、言うのです。
「院長、これ見てください。」
見ると、このジャケットの袖の辺りに、クリームを垂らしたような白いシミがべっとり付いています。
「あ、どうしたんだ⁇汚れてるじゃないか!」
「はい、これ、鳥の糞です。やられました…」
「マジか!いつ?何処でだ?」
「多分、病院の直ぐ外で、今しがた…」
「そうか…それは災難だったなぁ。」
「はい、災難でした。」
そこで、暫く沈黙があって。
彼が何か言いたそうな顔してる気がして。
そして、私が口を開いた。
「あ、もしかして、それもオレのせい?」
「いやいやいやいや、滅相もありません!私は、ただ…。申し訳ありませんでした!」
彼は慌てて両手を振って恐縮。
そうか。
そんなら良いんだ。
T君、疑って悪かったな。
なにしろ、ウチの職員ときたら、なんでも直ぐにオレのせいにしたがるやつらばっかりでな。
つい先日も、オペ室で、ペーパータオルがなくなっているのを誰かが見つけて、オレが最後に補充しなかった犯人になってたからな。
最近。被害妄想が過ぎる。