Mt.FUJI 100 2024☆レポ③ | 思えば遠くへ来たもんだァ。いくぜ! UTMB

思えば遠くへ来たもんだァ。いくぜ! UTMB

トレランとランニングの特に代わり映えしないお話。本当は市民ランナーのグランドスラムをいつかは達成したいと考えているが、遠く及ばない今の現実。しかし一つでもクリア出来たら最高!

トイレに寄って麓エイドをあとにする

まずは端足峠のとりつきを目指す

大きなアップダウンはない、エイドを出るとすぐに川原の脇を抜けていくのだが、そこでまた身体が変調をきたす

今度は大腿四頭筋が、おもいっきり痙攣し始めます

エイド出てすぐこれかよー

立っていられず草むらに倒れ込む、腹筋も攣ってしまい身動きとれなくなってしまった・・・

ふと地面をみると、誰かが落としたのか漢方の袋が1包落ちていた

袋には
ご、ごれいさん?
と書いてあった

きっと先行するランナーが落とした物に間違いはないが、どんな薬かはわからない
こんな偶然に目の前に落ちているなんて、何かの運命かもしれない、神様の助けかも

全く身動き取れなくなって、思考がかなりおかしくなっていたんでしょうか

偶然拾った漢方で復活するわけがありません

でも、藁にもすがる思いだったんです


本気で飲もうかと迷った挙げ句やはり理性が働き、服用は控えた

ただこの状況を打開しないといけない

寝そべったまま、ザックをごそごそして芍薬甘草湯をとりだしました

これで何とか収まればいいのだが・・・

袋のジッパーを開けると中から突然勢いよくボワッと煙が出てきました

その煙を吸い込んでしまい、思い切りむせ返ります

もう踏んだり蹴ったりです

煙の正体は、粉状になった芍薬甘草湯でした、錠剤のものが砕けてほとんど顆粒になってました・・・(泣)

今までレースで同じものを使ってきましたが、粉々になったのは初めてです、収納していた場所が悪かったのか?

かろうじて形の残ったいくつかを粉末の中から探し出して飲みました

やっとの思いで立ち上がり、再びヨタヨタとスタートします

のどかな牧場の景色が広がります
遠くに見えるは竜ヶ岳
このエリアは過去に出走したUTMFでは全て夜間走でした、はじめて見る景色、これだけでも走った甲斐がありました
快走出来ていれば、なお良かったが

端足峠の入り口まで来ました、トイレがあり、ここの水道水は飲めませんが、頭から水をかぶり、太腿を冷やしました

気分転換になり、スッキリ
足もなんだか気のせいか、軽くなった

ここから竜ヶ岳までは約500UP
、踏ん張り所です

また後ろから名前を呼ばれました

同じ福島から参戦のS木さんでした

UTMB、ディープジャパンのマイルも完走している実力派の先輩ランナーです

挨拶を交わし、先行して行く後ろ姿は足取り軽くあっという間に森のなかへ

僕も頑張らねばと思い、ひたすら登り続けました

端足峠の分岐まで来ました、去年はここから本栖湖の湖畔へ向けて下りますが、今年は竜ヶ岳方面へ更に200UPします

分岐で一旦一休み
座ってザックも下ろして、麓エイドでもらった大福を食べます

ランナーがどんどん通過していきますが、焦りは禁物

まずは自分のコンディションを整えるのが優先です

そろそろ出発するかなと思っていた時に、鏑木さんが登ってきました

最後尾からのスタートで、もう追い付かれてしまいました

そして竜ヶ岳へ
あいにく富士山には雲がかかってましたが、心地よい風が吹いていて多くのランナーが休んでいました

僕はさっき休憩したばかりなので写真だけ撮って通過しました

竜ヶ岳からの下りは景色もよく、気持ち良く走れる下りでした

ただし、僕は下りを走ることが出来ないので早歩きで進みますが、また異変が起きます

ハイカーの方に道を譲った際、止まった場所が悪かったのか、足に変な角度がついて、今度はすねと脹ら脛が攣ってしまいます

しばらくじっとして、収まるのを待って歩きはじめましたが、何となく半分攣っているような状態です

足がいう事をきかず、踏み出す足が時折思いもよらない方向に動き焦る

そんな時は一旦止まって落ち着いたついたら進む、そしてまた止まる

その繰り返しでした






ここでちょっと思う事がありました

竜ヶ岳は人気の山で、この日も多くのハイカーの方がいらっしゃいました

ランナーが下っている時、一般の方の脇を通り抜ける際、先に進路を譲ったりすることもないし、スピードを緩めることなくそのまま通過したりするランナーがとても多かったです

走りやすくスピードは出ますが、両脇は背の高さほどに草木があり、カーブはほとんどブラインドコーナー

かなりのスピードで突っ込んでいきます

一般の方が気を使って下さり、お先どうぞと譲ってくれる事も多いですが

無言でスルー・・・

一言くらいお礼を言ってもいいんじゃない?




本栖湖の湖畔のロードまでおりてきました

湖畔の売店が目に入り、思わず吸い込まれていきます

自販機はたくさんありますが、全て10円釣り銭切れで飲み物を買うことが出来ません

ならば売店の中の飲み物を買おうと思い、富士山サイダー(310円)を手にとり、店主のおばあちゃんにお金を渡そうとすると、お釣のお金がないと言われてしまった

おばあちゃんも、あとからあとから続々とやってくるランナーにあたふたしている感じでした

僕と同じタイミングでサイダーを買おうとしていた女性のランナーさんがいて

おばあちゃんが2本で600円でいいよとオマケしてくれました

ようやくサイダーはゲットできましたが、そのお釣をどう分けるかが問題です

しかしそんな小銭は元々持ってないので、僕が支払いしますよ~(おごります)といいましたが、彼女は頑なにいや、ダメですと・・・

結局彼女の提案でジャンケンで負けた方が払うという事になりました

ほほ~う
いいでしょう

じゃんけんぽん!

はい、

負けました(笑)

いいのです、僕は既に負けることがわかっていました

なぜなら僕は
女性の心が読めるのです・・・













ウソです(笑)
ゴメンナサイ

とても美味しいサイダー

彼女は奥武蔵界隈をホームとするとても爽やかなランナーさん

再び同じタイミングで走りはじめましたが、僕は全くついて行けないスピードで走り去っていきました

思ったよりも気温は上がらず、風もあって気持ちいいです

少しづつ調子を取り戻している感覚がある

去年までのコースと合流して、樹海の中をいいペースで走っていきます

樹海を抜けたらエイドに到着です

F3精進湖 70.7km
12時間41分41秒
区間タイム3時間56分30秒
スープパスタ、バナナ、あんパン、クリームパンをいただき、腰を下ろす

涼しくて心地よい

今回は前半(序盤)だけで随分消耗したなぁ~

ちょっと残念な気持ちもありましたが、まだレースは終わっていないこれから挽回しようという心の炎は消えていなかった

休憩していると、僕の山の師匠(勝手にそう思っている)のI田さんがエイドに入ってきた

僕よりもかなり後からスタートとしたのに追い付かれてしまった

スタート前に話したときは、この夏のTJAR、TORに向けてのトレーニングとしつ走ると言っていた

今年の夏はアルプスに応援行けたらいいなぁ







エイド滞在時間37分でした・・・

何がそんなに時間がかかったのかわからないが、やっぱり疲れていたのかな


F3精進湖out

13時間18分56秒


次のエイドF4富士北麓公園体育館(97.4km)までは26.7kmとコースの中では2番目に長いエイド間であるがロード区間も多く、それほど難易度は高くない


しかし、逆に言えばしっかりとロードを走らないとかなり時間がかかってしまう区間です


エイドを出て樹海を抜けると国道139号線にでて、鳴沢氷穴まで6キロ近くロードが続く


微妙に登り勾配で緩いカーブとなっていて見通しがわるく、そろそろ終わりかなとカーブを抜けるとまだその先があるという中々いやらしいです


僕は毎年、ここだけは絶対に歩かないと決めているので、いくら遅くて歩く方が速かったとしても"走り抜く"という行為は絶対譲れないポイントです


今年も全て走りました


ただ


ただ、ですね


途中、森の駅風穴というところがあって、いつもは夜中通過で完全にスルーしていくんですが、今年は日中で観光客でとても賑わっていました


売店もあって


何だかそっちに意識がいってしまい、どうしてもファンタグレープが飲みたくなってしまいました


ここで2回目の買い食いをしてしまいます・・・


ベンチに座って、お目当てのファンタグレープをぐいっと飲み干す


うま~


さっきエイドを出たばかりなのに、これは癖になったらいかんと反省して再び出発


鳴沢氷穴からトレイルイン


紅葉台、足和田山を経て河口湖湖畔へ抜けます


標高差は300ほどアップしますが、それほど難しい所はありません、体調も回復してきて順調に進んでいきます


足和田山から降りると再びロード


北麓公園までは10キロ以上あります、途中に自販機など誘惑がありましたが、なんと振り切る


ロードの終盤は永遠に続くかのような直線の登りです


これにはかなり堪えました


さすがに走り続ける体力はなく、道路に沿って等間隔で立っている電柱を目印にして、1区間歩いたら、次の区間は走るを繰り返した


だから半分は走ることができた


そしてようやくエイドに到着


F4富士北麓公園体育館 97.4km

17時間43分04秒

区間タイム4時間24分08秒

ドロップバッグを受け取り、まずは着替え、スマホ充電、ヘッデン交換

ここでのお楽しみはドロップバッグに入れておいたカップラーメンを食べる事だ

僕はエビアレルギーなので、普通のカップヌードルは食べられません、持ってきたのはシーフードカップヌードルBIGです(シーフードにエビは入っていない)

出来上がり、ハフハフいただく
疲れた身体に塩分が最高だ
以前、割りばしを忘れた時はかなり困ったなぁ

食欲は十分、バナナ、あんパン、クリームパンなどエイド食も一通りいただく

食べながら平行して後半の補給食を準備

エイドに入った頃はそれほど混雑していなかったが、しばらくすると続々とランナーが到着して騒然となってきた

再びI田さん、そしてH部さんに会いました

気持ち的にはもっとゆっくりしたかったのですが、それでもいつの間にか1時間以上経っていて、これはヤバいと準備してエイドを出発します

結局エイドの滞在時間は1時間17分という長さでした

エイドを出る際に装備品チェックがありました
いくつか項目があったようですが、僕の場合はダウンロードしたマップと1リットル以上の水でした

もちろん問題なくOK

もう外は真っ暗でした、いよいよ2日目の夜に突入します

レポ④に続く