『作りたい女と食べたい女』・最終回 | なにわの司法書士の徒然草

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NHKテレビ月~木曜日22時45分のドラマ『作りたい女と食べたい女』

 

 

なるほどなあ

 

1年ほど前に3週10話で放送された作品の続編だったのだが

 

第1話のときに「第4週」「第11話」という表示

 

これまでも昨年2度に分けて放送された『大奥』など、NHKにはたまにあることなのだが

 

個人的には、あくまでパート2はパート2として第1話からスタートするべきと思っていた

 

 

ただ、今作についてだけはこれが正解だったような気がする

 

終わってみれば8週、30話と、『夜ドラ』の他の作品とほぼ同じ話数構成にもなったし

 

今作の放送開始前に、同じこの『夜ドラ』の枠で前回放送の10話を放送したのも

 

1話から30話までの連続性を印象付ける方法として有効だった

 

前回の10話が新年の初日の出で終わって、11話のスタートが1月3日と

 

時間的な近接性からも、パート2というよりも1つの作品といった方が正しいだろう

 

 

まあ、それならばいっそのこと、1年前に10話だけ放送するのではなく

 

今回全て新作で30話を通して放送すればよかったのに、という気はするが

 

それを超えるだけの効果があったのでよしとしよう

 

 

前作の10話まででは、まだ自分の気持ちが友達に対する好意なのか、恋愛のそれなのか

 

わからずにもやもやしていた比嘉愛未さんではあったが

 

終盤に少しずつ自分がレズなのかもという気持ちが芽生えたところから

 

今作は、西野恵未のことが恋愛として好きだという気持ちをはっきり意識するところから開始

 

 

一方の西野恵未は、前作のときは、ほとんど表情を変えずに淡々としていて

 

自分の感情を表現することがほとんど無かったが

 

今作になって、藤吉夏鈴に恋愛相談をして比嘉愛未さんへの思いを口にするようになり

 

終盤には比嘉愛未さんとも互いに思いをぶつけ合うようになった

 

 

そんな二人の恋する気持ちを強く結びつける意味で大きな役割を担ったのが

 

今作から新登場のともさかりえさん

 

数少ない前作から継続出演の森田望智は、比嘉愛未さんの会社の同僚として

 

いつも恋バナに話を咲かせてはいたが、話を聞いてはやし立てるだけの役目だった

 

しかし、ともさかりえさんはSNSを通じてレズビアン映画を比嘉愛未さんに紹介したり

 

話を聞いて具体的にレズビアンについてアドバイスを与えたりして

 

一人でもやもやしていた比嘉愛未さんは心と頭を整理するのを手助け

 

終盤には、一緒に住む部屋を探している比嘉愛未さんと西野恵未が苦戦していると聞いて

 

LGBTに優しい不動産屋を紹介してあげたりもして、2人の関係発展に大きく貢献した

 

 

ちょうど同じ時期に、主人公がレズビアンの『チェイサーゲームW』が放送されたが

 

激しいキスシーンやベッドシーンも描かれた『チェイサーゲームW』に対して

 

互いの気持ちを探りながら、少しずつ少しずつ慎重に距離を近づける2人の関係が

 

初々しくて新鮮で、性愛というよりも人間愛を感じる関係に見えた

 

 

序盤で、レズビアン映画を見た比嘉愛未さんが、情熱的すぎて自分とは違うと感じたり

 

ともさかりえさん自身、レズビアンだがアセクシャルだと告白するシーンがあったので

 

比嘉愛未さんと西野恵未も、手をつなぐだけでも満足するような

 

アセクシャルな関係になると勝手に想像してしまっていたこともあって

 

最終回で二人が、探り探り「ハグしてみようか」とぎこちないハグをするまでは良かったが

 

その後の「キスしてもいいですか」とキスするシーンは、個人的にはいらなかった気がする

 

せめて、「続きはひとつひとつゆっくりと」と先を想像させつつ終わって欲しかったかなと

 

まあこれは一視聴者の勝手な思い

 

 

タイトルにもなっているメインの料理の方は、今作でも毎回様々な料理

 

前作にはなかった今作の工夫としては、毎話のラストに映し出される料理の写真

 

『朝ドラ』では、もう何年も前から作品ごとにテーマを決めて視聴者から写真を募集

 

ラストにその写真を毎回1枚紹介するということを続けているが

 

それを『夜ドラ』にも初めて導入したような形

 

もちろん視聴者から募集するわけではなく、比嘉愛未さんがSNSに投稿した設定で

 

その回に作った料理の写真がをインスタグラム風に映し出していった

 

さすがにこれが今後も『夜ドラ』で恒例となるとは思わないが

 

せっかく『夜ドラ』という名称にしたわけだから、こういう『朝ドラ』とのリンクはいい試み

 

 

ただ、前作では大食いの西野恵未のためのとんでもないビッグサイズの料理や

 

皿の上に4~5人前ではないかと思うほど大盛りになった料理がインパクトを与えたが

 

今作ではどこか控えめで比嘉愛未さんと同じぐらいの量や大きさというのが多かった印象

 

せっかくインスタ風の写真をラストに映すことにしたのに、インスタ映えする料理が

 

大根おろしを犬の顔の形にしたみぞれ鍋ぐらいというのはもったいない気がした