『めぐる未来』・最終回 | なにわの司法書士の徒然草

なにわの司法書士の徒然草

つれづれなるままに日暮らし
PCに向かいて
心にうつりゆくよしなしごとを
そこはかとなく書きつづれば
あやしうこそものぐるをしけれ

日本テレビ(読売テレビ制作)木曜23時59分のドラマ『めぐる未来』

 

 

この1月期のドラマで、ちょっと設定をひねり過ぎて無理があると思った3つの作品の1つ

 

『君が心をくれたから』と『EyeLoveYou』はオリジナル脚本だったが

 

今作は漫画原作のある作品

 

漫画だから許される部分がドラマでは許されなかったりもする

 

ただの個人的な嗜好の問題かもしれないが、最後まで違和感はぬぐえなかった

 

 

やはり、「感情が高ぶると過去に戻る」というあいまいな発生原因

 

しかも過去のどの時点に戻るかはわからないという設定

 

一見主人公を不安にさせる要素のようにも見えるが、逆の言い方をすれば

 

作者の都合で、いつでもタイムリープできるし、いつどの時点にも戻れるということ

 

こんななんでもありのご都合主義では、見ている方も「どうせ都合よく処理するんでしょ」と

 

冷めた目で見てしまい、ドキドキもワクワクも生まれない

 

 

発生原因の方で言えば、早見あかりや母親の死に直面した時に過去に戻るのはまだ納得できたが

 

最後に萩原利久自身が刺された時に、穏やかな表情で早見あかりに語り掛けていたのに

 

気づいたら10年まえに戻っているというのが全く理解できない

 

自分が刺されて戻ってしまうなら、なぜ序盤で萩原利久が路上で刺されたときには

 

過去に戻らなかったのか、不思議でならない

 

 

戻る時間で言うと、早見あかりが死ぬ直前のように大きな出来事の前に戻って

 

そのことを止めさせようとするのはいいのだが、一度早見あかりが路上で刺されて

 

過去に戻ったのに、たった数秒間戻っただけで早見あかりは刺されたまま

 

結局葬儀を挙げることにもなったが、その後に当然のように過去に戻って

 

早見あかりが刺される直前に戻ることになる

 

葬儀までやることで、どうせ過去に戻って助かるんだろうという気持ちで見ている視聴者を

 

驚かせたかっただけにしか思えなかった

 

 

もはやパラレルワールドでも説明がつかないほど何度もタイムリープして何度も過去を変え

 

最終的には10年の時を戻って全てのきっかけになった飛び降り自殺を止めずに見逃し

 

10年の時間を再び生活することになるが

 

その間に何も起こらないように、必要以上に過去を変えないように生きたであろうはずが

 

ようやく再会した早見あかりの運命が大きく異なるものになっていたというのも

 

最後の結末を感動的にするための逆算的なご都合主義でしかない

 

 

犯人役となった若手刑事の役名が「暦亘(こよみわたる)」

 

主人公2人の「襷未来」「襷めぐる」という役名だけに気を取られて他をきにしていなかったが

 

この役名のつけ方、確かに鍵を握る人物だとばらすようなもの

 

しっかり役名までチェックしていた視聴者は第1話から犯人だと気付いていたかもしれない

 

一方で、お決まりの犯人が全ての真相を語るシーン

 

共犯である妹役の中井友望という女優が担当したのだが、滑舌が悪くて聞き取りにくいし

 

感情が乗っていなくて、早見あかりにナイフを突きつけているのに緊迫感が感じられなかった

 

こういう重要な台詞を語らせる役はもう少ししっかりと選んでもらいたい気がした