『正直不動産2』・最終回 | なにわの司法書士の徒然草

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NHKテレビ火曜22時のドラマ『正直不動産2』

 

 

パート2作品では、パート1を超えるインパクトを出そうとするあまりに

 

いろいろと策を講じた結果、話題が散らばってストーリーの軸がぶれるというのもよくあること

 

今作でも、前作からの登場人物がほとんどそのまま出演するうえに

 

ディーン・フジオカをはじめ、板垣瑞生や馬場徹、松本若菜と登場人物が増えて

 

その手の失敗に陥ってしまうのではないかという危惧があった

 

 

しかし、こう言っては何だが、せっかく起用した新キャラをあまり活用しないことで

 

ストーリーの軸を山下智久を筆頭とする登坂不動産軍団対ディーン・フジオカに絞って

 

前作同様に、善と悪の対立構図を明確にしたことで見やすい展開になった

 

 

前作では、山下智久と市原隼人の社内でのトップ争いというものもあったが

 

今作では、山下智久がトップにこだわらなくなったことで、馬場徹が営業成績トップになっても

 

そこでの対立は生まれず、むしろ山下智久のピンチに馬場徹が手を貸す場面もあり

 

また、松田悟志が中盤で突然入社してきて、しかも市原隼人の紹介ということで

 

何かトラブルを巻き起こすのか、もしかするとディーン・フジオカのスパイなのかと思ったが

 

多少のトラブルはありつつも意外といい人間で、しかも最終回を待たずに退社

 

 

さらに、前作では山下智久と福原遥とのライバル関係で悪者サイドだった倉科カナが

 

本物の悪であるディーン・フジオカがやって来たことで、むしろそのやり方に反発して

 

時に福原遥に協力するようになったことが、対立構図をシンプルなものにした気がする

 

 

少し残念なのは、せっかくラスボスぐらいの風格で悪者を演じたディーン・フジオカを

 

根っからも悪者にしなかったこと

 

確かに、ドラマでは「盗人にも三分の理」ではないが、悪い人物の背景を描いて

 

犯罪に手を染めたのも仕方ないことだったと、登場人物全員を善人に描くこともある

 

今作では、どんな姑息な手段を使っても「1番」にこだわるディーン・フジオカが

 

交通事故で奥さんと幼い子供を亡くしていて、息子が運動会のかけっこで「1番」になるために

 

自分も営業成績で「1番」になると約束したこと、毎回披露する奇妙なタップダンスも

 

子供が気に入っていつも子供の前で踊っていたというお涙ちょうだいのエピソード

 

ありっちゃありだが、個人的には徹底的に悪者として描いて欲しかった気がする

 

 

意外な展開だったのは、山下智久と泉里香の2人の関係

 

前作からなんとなくつかず離れずの関係で、銀行員の泉里香に住宅ローンの相談をしたり

 

どこか山下智久が都合のいいときだけ泉里香を利用しているようにも見えていて

 

今作でも前半はほとんど何の進展もなく、中盤で泉里香が「私と恋人になって」と言った時も

 

ありがちな、親からの見合い話を断るために恋人のふりをするパターンだと思っていた

 

実際に泉里香の祖母に会うことになって、まあそうだろうなと思っていたのに

 

その直後に泉里香が山下智久のボロアパートに押しかけてくると、山下智久もすんなり受け入れ

 

結婚への最終選考と銘打った同棲生活がスタートした

 

いっそのこと婚約か結婚をして、福原の担当で新居探しというのが最終回でも

 

よかったようにも思えるぐらい順調な2人だが、泉里香がニューヨーク転勤になって

 

最終選考が延長になったのは、パート3への布石だろうか

 

 

一方で、新キャラの登場もあって、前作の主張登場人物だった山崎努さんと市原隼人が

 

登場シーンもほとんど無く、ストーリーにも絡んでこなかったのは寂しいところもある

 

市原隼人なんかは、放送前のスペシャルドラマでも思わせぶりな出演の仕方だったので

 

もっと暗躍してくれるのではという期待もあったが、申し訳程度の出演にとどまった

 

山崎努さんも、第1話では山下智久と祟りのとき方について話し込むシーンがあって

 

毎回ワンシーンこうしたシーンが挟み込まれるものと思っていたが、そうはならず

 

このあたりはパート2の難しさだ