『となりのナースエイド』・最終回 | なにわの司法書士の徒然草

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日本テレビ水曜22時のドラマ『となりのナースエイド』

 

 

放送開始当初は、聞き慣れない『ナースエイド』という仕事を描く明るく楽しいコメディだと

 

100%信じて疑わなかったのに、いい意味でたくさん裏切られた作品

 

 

何より、川栄李奈が天才外科医だったというのが一番の裏切り

 

天真爛漫でちょっとおバカなイメージの川栄李奈だけに、「前向きバカ」というニックネームも

 

医療オタクだというキャラクターもぴったりだと思っていたのに、まさかの外科医

 

ただ、天才外科医とまでいくと川栄李奈のイメージからするとどうだったのかという気もする

 

ひたむきで一生懸命患者と向き合う新人外科医ぐらいが適当だったかもしれない

 

 

いずれにしろ、川栄李奈が外科医だったという真実によって

 

その後のストーリー展開が当初の予想とは全く違うものになっていったのは事実

 

ナースエイドの奮闘記ではなく、トラウマでメスが握れなくなった川栄李奈の葛藤

 

医師であった父親の思い、亡くなった姉成海璃子の思い、そこに関わる姉の死の真相

 

医療ミステリーというまでには重い空気でもないが、見ごたえはあったのではないだろうか

 

 

もう一つの大きな裏切りは、思わせぶりなままはっきりした結論を見せずに終わった最終回

 

シムネスという多発性のガンの治療方法の開発というのが今作の医療面でのテーマだったが

 

古田新太さんが開発しようとしていたオームスというシステムは実用の目途も立たないまま

 

一方で、最終回間際になって、高杉真宙は手術中に急速に増殖する腫瘍に直面

 

そのシムネスの進化の原因も明らかにされないまま物語は終わる

 

 

成海璃子の死の真相に関しても、古田新太さんが成海璃子と川栄李奈の父親の論文を

 

盗用して発表し、自分の名をつけた「火神細胞」として世に広め名声を得たことに対して

 

その真相に迫った成海璃子を古田新太さんが屋上から突き落としたものとして

 

古田新太さんがその犯行を川栄李奈に告白もした

 

だいたいドラマでは、自分から「人を殺した」という人は、実際は殺したのではなく

 

自分のせいで大事な人が死んでしまったと責任を感じているだけというのが定番

 

川栄李奈が「私は人殺しです」と序盤で言っていたのもそういうことだった

 

この古田新太さんの告白もその可能性があると思っていたが、どうやら突き落としたのは事実で

 

その理由が思っていたのと異なるよう

 

 

最終回のラスト3分になって、手術中に増殖する腫瘍に困惑してた高杉真宙の姿の直後

 

古田新太さんと成海璃子の屋上のシーンに転換

 

成海璃子が新しいことに気付いたと古田新太さんを呼び出したようで

 

先に火神細胞と同じものを発見していた父親がそれを公表しなかった理由を古田新太さんに問い

 

「もしかして火神細胞がシムネス・・」とまでしゃべったところで

 

古田新太さんの腕が動き何かを掴む音で画面が切り替わる

 

火神細胞には急速に腫瘍が増大するという欠陥があって、それを隠すために

 

古田新太さんが成海璃子を屋上から突き落としたということなのだろうか

 

ただそれをはっきりさせることもなく、ドラマはエンディング

 

最後になって本格ミステリーの終わり方をしなくても、もっとすっきりと

 

真実を明らかにして終わって欲しかった