やっほー
舞台叶恋振り返り③
今日はいただいた役、下条について。
*内容ネタバレあります!
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小説「叶わない恋を叶える方法」に出てくる下条は、ちょっと不器用な男性。
今回ダブルキャストで、私が舞台で演じた下条は更に少し癖が強い感じ。
ここに行き着くまでに、とっても頭を抱えました!
そもそも下条みたいな人が現実世界にいたら、私は苦手なタイプで
まずは下条と仲良くなるところからのスタート。
私自身もともと声が渋いわけでもないし、見た目も渋くない。
いや渋さを求められた訳じゃないんだけどね笑。
下条の心情は理解できるし、どんな人かもわかった。
ただ、そのイメージする下条が全然表現できない…ちーん
いつかの稽古の帰り道、演出の奥田さんと私の考える下条のすり合わせをした日があって。
そこでなんとなく下条の表現の輪郭が見えた日があって、翌日の稽古でもその方向でって言葉をいただいて。
でもでもそれからも悩み続ける日々。
“歳の割に老けた印象”という下条を表現する方法とは。
小説にはなるべく忠実でいたい。
でも舞台の色を加えた時に、どうしても私からは違う方向に見えていた下条。
ここは最後まで頭を抱えた部分。
小説×演出×演者
融合させるのが、とても楽しくてとても難しかった。
最終的に辿り着いた私のイメージした下条は「おじさん」。
仕草、喋り方、歩き方、全ておじさんになりたかったの。
毎回言うけど、正解・不正解は分からない。
ただ私のイメージはそうだった。
結果、日に日に癖が強くなっていく下条に中の人の私はちょっぴり不安で。
この癖の強さ大丈夫!?って笑。
演出からNGが出ない限り、クセクセさせていって、最終的に本番のあの下条に辿り着きました。
毎晩歯磨き後に、洗面台の鏡に向かってセリフ練習をしながら自分と対話してたんだけどね。
ある日、それはそれは急にストンって下条が私の中に落ちた瞬間があったの。
涙が止まらなくなって、下条が愛しくて愛しくて仕方なくて。
そこからちょっと苦手だった下条が本当に愛すべき存在になって、同時にちょっと苦しさも増した。
結局、下条の恋は叶わない。
患者に恋心を抱いてはいけないし、行動に移してはいけない、移さなかった。
そこを守った下条が愛しくて悲しくて苦しくて、うーわーってなった日があった。
実際に好きになっちゃうのは仕方ないし別にいいって思うのよ、中の人はね。
診察は今日で終わりだと伝えて名刺を渡すシーンがそれはそれは苦しくて、家でセリフ練習すると色々込み上げちゃって心がグラグラして。
あぁ、下条ってものすごくピュアに恋してるんだなって思った。
推せる。下条、推せる。
下条ー!!!って。
最後に下条の台詞について。
同じワードを繰り返す下条の言い回しが慣れなくて、本当に頭に入らなかった!
台詞覚えが本当に苦手。
もちろんちゃんと台詞を頭に入れてたんだけど、公演初日に1箇所セリフが頭から消え去った事がありました…大反省
私引退かなって本気で思った…
あ、まだしません…引退…?
一度しか観ていないお客様にはバレない程度でした。
関係者の皆様、ご迷惑おかけしました!
練習を人一倍しなきゃいけない。
これは改めて肝に銘じた。
ほんと生まれて初めて舞台上で頭が真っ白になった。
悔しいの極み。
あとね!
「REINで待っていますから」の下条の表現が1番苦手だったのです。
自分の心の動き・表現したい形と、実際に皆様へ見える形が1番乖離するシーン。
だからこそ、あのシーンが良かったと沢山の方から言ってもらえた事が励みになりました。
大感謝
こういうの、書かない方が美しく感じる人もいるかも知れないけど、私は包み隠さず伝えちゃう派。
読みたい方にだけ届けっていつも思って投稿してます。
最後まで読んでくれてありがとう
てことで!
愛すべき下条のお話でした
つ、つづく?