雨森芳洲 | 右岸だより

右岸だより

 歳を取り、ヒマになりなり、昔やりたかったことを手掛けようと思っていますが、思うようにできません。そんな中で出来ることを探したり、出来るように工夫したりしてもがいている毎日を綴ってみたいと思っています。

雨森芳洲 信原修 明石書店

 鎖国の時代に、対馬は朝鮮に向けて開かれた窓だった。芳洲はここで活躍した。もともと近江の生まれだったが語学力を買われて対馬藩の藩士になった。先ず漢文を学ぶが、日本式に発音したり返り点を打って日本語文法に直して理解する方法が気に入らない。漢人の発音を求めて長崎に留学した。同じ発想で、ハングル語にも挑戦する。このため、日漢韓の三か国語の発音、文法、表記などを比較することが可能だった。

 これだけでもすごいと思うが、外交でも活躍する。語学をやるものは自国に対する徹底的な忠誠と相手国に対しる高い理解が必須だと説く。その結果対馬藩、韓国の高い信頼を勝ち取ることにより、良好な関係の構築に貢献した。外交官の鏡だ。