自伝アントニン レーモンド | 右岸だより

右岸だより

 歳を取り、ヒマになりなり、昔やりたかったことを手掛けようと思っていますが、思うようにできません。そんな中で出来ることを探したり、出来るように工夫したりしてもがいている毎日を綴ってみたいと思っています。

自伝アントニン レーモンド 三沢浩訳 加島出版会

 TVで群馬音楽センターの設計者として紹介されたので興味を持った。日本には帝国ホテル建設のとき、ライトに付いてきた。

 作品の多さに驚く。私が知っている建物も多い。初期の作品はライトの影響が強い。しかし、どんどんシンプルに、軽快になっていく。群馬音楽センターでは打ちっぱなしコンクリートだが薄い板を折り曲げた構造にしており、折り紙のような印象を受ける。

 シンプル化は軸組み構造、障子の採光、タタミ、そして日本庭園などからの影響だ。戦後再来日した時にはアメリカの新しい技術を日本に紹介している。技術交流の重要な媒介者だった。