パリオリンピックのセーヌ川の水質問題がメディアを騒がせている。
レース後に嘔吐したとか、ベルギーの選手が体調不良になったとか、いろいろ。。。
たしかに、スイムは水のきれいなところでやりたいし、運営に問題があったかもしれない。
でも、競技以外のことばかりを話題にされるのは、トライアスリートの端くれとして残念だ。
自分も過去何回か、水のきれいと言えないコースで泳いだことがある。
日産カップは横須賀市追浜の日産自動車工場横の海を泳いだので、排水溝付近はガソリンのにおい(味?)がしたし、渡良瀬遊水地も視界はほぼ0、においはなかったがお世辞にも飲みたい水とは言えなかった。
でも、水が汚くて嫌なら出なければいいだけの話、大会を開催してくれた運営関係者には、運営の良しあしに対する評価はあるが、開催してくれたことには感謝している。
たぶんトライアスリートはエイジもエリートも同じ気持ちだと思う。
以前スピード社の水着を着用した選手のタイム向上が目覚ましく、メディアの話題をさらったとき、北島康介選手が「泳ぐのは僕だ」とプリントされたTシャツを着て登場したことがあった。
厚底シューズが話題になったとき、MGCの共同記者会見で大迫傑選手が「競技に関係ない話題には答えなくていいと言われている」と答えたこともあった。
八田益之さんが「チャンスの希少性は究極の集中力を生み出す」と書いていたが、せっかく世界のトップアスリートが4年に一度死力を振り絞って戦っているのだから、その瞬間にこそ注目してもらいたいものだ。
Yeeのランなんて、歴史に残る激走だったのだから。
もちろん水質問題は検証されるべきだし、選手の健康や安全は第一に考えられるべきだ。
でも、おそらく出場した選手は水質よりレースに注目してほしかったはずだ。
東京オリンピックに出場した海外の強豪選手の何人かが「なぜ水質のことばかり聞くんだ?われわれは競技をしにきたのだ。競技のことを聞いてくれ」と言っていたと、白戸太朗さんがどこかに書いていた。
トライアスロンに興味も関心もない人が、水質問題ばかりで大騒ぎするのは、ちょっと興ざめだな、と思う。。。