「地頭」の鍛錬が静かなブームとなっている。

古くは百マス計算に始まるいわゆる"脳トレ”ブームはニンテンドーDSによって爆発的に人口に膾炙するところとなったのは記憶に新しい。
昨年ごろから「地頭本」が売れ始めている。クイズを解いてみなさん地頭を鍛えましょう!という趣旨の類の本だ。

4492555986 地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」
細谷 功
東洋経済新報社 2007-12-07

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■地頭ブームの発端は外資系企業?

さらにさかのぼれば、90年代後半以降、Microsoft、Mckinseyといった外資系企業、それも当時学生ランキングの上位にあった人気企業が挙って面接試験で難問奇問を出し、それがベストセラーになったこともある。


4791760468 ビル・ゲイツの面接試験―富士山をどう動かしますか?
William Poundstore 松浦 俊輔
青土社 2003-06

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代表的な例としては

「シカゴにピアノ調律師は何人いるか?」
「富士山を動かすのには何年くらいかかるか」
「日本に蚊は何匹くらいいるだろうか」

といったような問題があり、このような問題をフェルミ推定と呼ぶ。
フェルミ推定とは、情報が少なく把握するのが難しい問題を、その少ない情報から仮説を立て、それを組み合わせ、ある一定時間(短時間)に回答(数値)を求める問題解決の考え方。

当時、大企業の人事担当者や戦略コンサルティング企業を受ける学生がこぞって猫も杓子もこの流れに遅れまいと躍起になっていたのもあり、そういった人たちには今さら感があるのだろうが、一般の人々まで浸透し始めたのは案外最近なのかもしれない。

また、民間企業の就職試験以外のケースでいえば、ロースクール入試の適性試験の論理問題を解くために、野矢先生のテキストでトレーニングした方も多いkかもしれない。


478280136X 論理トレーニング101題
野矢 茂樹
産業図書 2001-05

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恒例の勝間先生も時代の流れに遅れまいと、「ビジネス頭を創る100の難問」という監修本を出版された。

488759660X ブレイン・ティーザー ビジネス頭を創る100の難問
勝間 和代 花塚 恵
ディスカヴァー・トゥエンティワン 2008-10-17

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■あなたはGoogleの面接試験問題が解けますか


勝間本の中から1問紹介すると、Googleの面接試験の問題で以下のような問題が出たそうです。ぜひチャレンジしてみてください。



100枚の金貨を手に入れた海賊が、5人で分けようとしています。

そこで、最年長者から順に分配方法を提案することになりました。

提案に対して全員が投票し、賛成票が半数以上入れば、その提案どおりに分配されます。

賛成が半数に満たなかったら、提案者は殺されます。

誰かの案が採用されるまで、この手順を繰り返します。

5人とも優秀な頭脳と強欲さを併せ持つ人物で、何としても生き残りたいと思っています。

最年長者はどんな提案をするでしょう?

<以下、回答>※反転させてください。


年長順、つまり提案順からA,B,C,D,Eとします。
バックワードインダクション、つまり最後の状況から順番に考えていくという手法を用います。

1)A,B,C,Dが死んでいる場合

Eは総取り
→E:100枚

2)A,B,Cが死んでいる場合

Dが総取り
→D:100枚、E:0枚

3)A,Bが死んでいる場合

Cは「自分は99枚を取り、Eに1枚渡す」と提案する。それにEは賛成せざるを得ない。
なぜならEはCの提案に反対するとケース2)のようにDに全て取られるから。
→C:99枚、D:0枚(Cに反対)、E:1枚(Cに賛成)

4)Aが死んでいる場合

自分以外にもう1人賛同者を得れば、提案は認められる。どの海賊に分け前を与えれば、与える量が最小ですむか、という点。賛同者となりうるのはD。なぜなら、Bの提案に反対して、海賊が3人になると、ケース3)のように自分は何ももらえなくなってしまうから。
→B:99枚、C:0枚(Bに反対)、D:1枚(Bに賛成)、E:0枚(Bに反対)

5)Aが存命で提案する場合(当問題)
Aは他に2人の賛同者を得ればいいので、「自分の取り分が98枚、Cに1枚、Eに1枚を渡す。」と提案する。C,EはAの提案に賛同せざるを得ない。なぜなら、反対してAが殺され、Bの順番になったらケース4)のようにC、Eは1枚ももらえなくなってしまうから。
→A:98枚、B:0枚(反対)、C:1枚(賛成)、D:0枚(反対)、E:1枚(賛成)

友人に聞いてみたところでは、4人の回答者のうち2人が正解でした。

(ちなみに小生は解けませんでした。「3人の賛成が必要なんだから、普通に100枚を3人で山分けすりゃいいでしょ、常識的に考えて」と思ってしまいました。)

ちなみに類題では東大生の正解率は9%だったそうなので、これが正解できた方は自慢してもいいかもしれません。(誰に?)
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/entrance/1194750110/



■頭の体操に終わらない地頭鍛錬とは


地頭ブームを見るにつけ思うのが、これが実際にビジネスにどのように役立てることができるのか、ということ。

実生活に直結する例で言えば、冒頭の外資系企業への就職活動に若干役立つということかもしれないが、単なる頭の体操のお遊びになってしまうのでは、というような気もしています。

無理やりアナロジーとして考えてみると、例えばこの海賊の例で言えば、外交政策でのパワーポリティクスに援用されるような考え方につながるかもしれません。

今回のクイズの正解では、A,B,C,D,Eという5人は、隣同士が反駁しあい、敵の敵に賛成票を投じることになります。これは外交政策でいうところの「敵の敵は味方」「遠交近攻」という定石につながっていくのかもしれません。

あまり外交戦略論には詳しくありませんが、こういった権謀術数的な議論は中国の春秋時代やマキャベリズムの時代に隆盛していたものと思われますが、外交センスに元来疎いといわれる日本人にはこのクイズは不得意にあたるのかもしれません。

ただし、この海賊のクイズでは論点をシンプルにするためにいくつかの前提があります。

前提1:各提案は自分だけの利益を考慮し、談合は行わないこと。
例えば、各海賊が裏で協力したり(要は談合)ということがないという前提であること。協力がないとAがほぼ総取りになってしまうのであれば、B,C,D,EがAに反対するというカルテルαを結んだ上で、Aを殺した上で、4人で山分けしようという考えになるだろう。しかし、ここでC,D,EがBのいないところで悪だくみをして、「4人よりも3人で分けたほうが分け前が多くなるから、Bの提案に反対して3人で分け前を得よう」というカルテルβを結ぶ、ということもあるだろう。

前提2:各人の提案の確実な履行が担保されること。
もうひとつの前提は、各人の決定権というものが担保され、提案が反対されない限りは殺されないという前提がある点だろう。
実際には、「そんな小難しいこというやつは殺してしまえ!」ということもあるかもしれません。

前提3:各人が自らにとって最善な選択について正確な判断を下せること。
そして忘れてはいけないのが、クイズに答えるという意味ではいささか屁理屈になるが、海賊の5人全員が非常に聡明で、判断ミスを犯さないという点だ。大金を目の前にして、提案が反対されれば殺されてしまうというこの切羽詰った状況で、これだけ賢く選択肢を吟味できるというのはほぼ不可能といってもいいだろう。

実際、振り込め詐欺では取り分の多寡でもめてトラブルになり、傷害・殺人に及んだケースや、内部通報になったケースもあると聞く。
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/e/06/index1.html
現実は哀しくもこんなものかもしれない。(これはこれで囚人のジレンマとかパレート最適な結果だったりして。)



もっと身近な例で考えてみると、例えば社内で大きなプロジェクトを達成したとして、その成果を上司(成果配分の権限がある)が横取りしそうなときに、平社員の自分としてどのように立ち回れば一番上手く報酬を得られるか、というあたりか。

そんな戦略的な社員、ちょっといやだ。
ある田舎の片隅に、ひとりの少女がいました。


彼女は気立てのよい女の子で、幼いなりに周りを気遣ってか、小学生の頃までは、いわゆる「いい子」を演じてきました。

しかし、反抗期を迎えて「いい子」を演じ続けることに疲れたのか、中学生になると一気に振り子が逆に振れたように反動が来て、タバコは吸うわ、男を家に連れ込むわやりたい放題になります。

ただ、お勉強はまずまずの出来で、定期試験ではクラスで1,2番の成績を修め、地元で一番の高校に進学します。

しかし、遊びたい盛りの女の子にとって高校受験以降全く勉学への関心がなくなり、1ヶ月で不登校になります。

それ以降、焼肉屋で毎日15時間労働、月休3日、最低賃金以下の劣悪な労働環境で働いてみたり、スナックのお姉さんをやってみたり、もはや家族にも、彼女が家に戻ってきたのかさえ把握できない放蕩を続けます。

親は何をしていたかというと、最初はなんとか高校くらいは卒業させようと、定時制の高校に通わせたり、なんとか軌道を修正しようと試みます。


しかし、彼女の自由奔放に生きたいという意志は堅く、全く効果はありません。



17歳のことです。


彼女に転機が訪れます。


遠く遥か離れた北の大地に、恋人ができたのです。

彼女は昔でいうところの駆け落ちさながらに、身一つで飛行機に乗り込みます。


二人は同棲を始めました。

つつましい暮らしでしたが、二人は音楽の趣味も近く、彼女はR&Bやダンスミュージックについては周りからも一目置かれるほどの深い造詣を得るまでになり、クラブ通いのそれなりに楽しい暮らしでした。


それからは長い長い二人の同棲生活が続きます。

少女の兄が看護師になったということもあり、彼女の親は、彼女に看護学校に行くように勧めます。ニート状態だった彼女も久しぶりに受験勉強し、無事看護学校に合格、入学します。




かし、ここで二人の仲に暗雲が立ち込めてきます。


彼氏が浮気をしたり、彼女にも新しく気になる男性ができたりと二人の間に溝が生じ始め、ついに彼女は姿をくらましてしまいます。音信不通、行方不明となり、警察沙汰にまで発展してしまいます。


そのとき、彼女は看護学校で戴帽式を目前に控えていました。

戴帽式とは、看護師を目指す学生たちが、初めての病院実習に臨む直前に、教員が、学生一人一人にナースキャップを与え、看護師を目指すものとしての職業に対する意識を高め、またその責任の重さを自覚させるための一大儀式です。


しかし、その行方不明騒動もあり、彼女がナースキャップをかぶることはありませんでした。

彼女の母親は、娘のナース姿を見るのをとても楽しみにしていましたが、それが叶うことはありませんでした。


この騒動のときには、彼女の父親と彼氏とが一緒に捜索に走ります。いわゆる「義両親へのご挨拶」はなんとも異色のシチュエーションで実現することとなってしまいます。


結局、二人は初心に立ち返り、元鞘に戻ることになります。



駆け落ちから4年。騒動も落ち着いたところで、彼女の実家に二人が遊びに来ます。


彼女の両親は「もしかしたら」とそわそわし始めますが、両親の心配をよそに当事者二人は全くそんな装いも見せず、肩透かしをくらってしまいます。




は2008年。


身一つで北の大地の彼のもとへと飛び込んでから、もう4年と8ヶ月が過ぎました。

少女の長い長い波乱万丈な人生も、ひとつのピリオドを迎えることになります。



天啓というのか、コウノトリからのGiftが二人にShotgun Marriageという決意を促したのです。



彼女いわく、「つくろーか婚」というあくまで自発的・確信犯的な計画に基づくものであるようですが。







そうして、僕は、来春、おじさんになります。


親になるのは自覚的なことですが、おじさんになるのは無自覚でした。



おめでとう、今日子。







前回、「テレビ終わってる」的なトーンになってしまったので、補足をば。

■テレビ視聴率のリサーチ方法

テレビ番組の視聴率のカウントは、(株)ビデオリサーチという調査会社が関東や関西といったブロックごとにサンプル家庭を無作為に抽出し、リアルタイムで見ているチャンネルをカウントしています。
2000年まではニールセンという外資系企業もリサーチしていたようですが、なんと今の日本ではテレビ視聴率リサーチは(株)ビデオリサーチの1社独占でやってるんですね。
地デジのダビング10のカードを独占的に扱うB-CASが問題になっていましたが、日本のテレビ視聴率が1社に頼っているという今の状況もちょっと恐ろしい気もします。

テレビ視聴率のリサーチ方法

2004年に日本テレビのプロデューサーが視聴率の不正操作を行っていたのは記憶に新しいですね。

テレ視聴率買収問題でビデオ・リサーチ、プロデューサーを提訴


■実質的な視聴率はみかけ上の視聴率よりも高いかもしれない


話を戻すと、ビデオに録画して見た人、YouTubeやニコニコ動画のような動画サイトで見た人は含まれていないわけですから、それらのひとたちは潜在的な視聴者といえます。それらの人の視聴率を含めた「実際の視聴率」は名目視聴率よりも高い可能性があり、最近のひとは「テレビを見なくなった」というよりも、「テレビを見る形態が多様化し、リアルタイムで見る人の割合が相対的に低下した」という表現のほうが正確かもしれません。


■ネット上の人気コンテンツも、テレビのコンテンツの二次利用がほとんど

また、ネット上で人気のある動画というのは、J-POPの新曲のPVやアニメなどをパロディ化したものも多く、一次ソースとしてマス媒体のコンテンツを利用しているケースがほとんどといっても過言ではありません。まったく著作権に抵触せずに人気動画を作ることのほうが難しいでしょう。

べジータとブロリーで就職面接マニュアル

こういったマス媒体のコンテンツの二次利用の是非について述べるほどの見識と主張は持ち合わせていないので、僕としてはノーポジションなのですが、ポジションを持って主張されている方々をやや簡単に二極分解すると、以下のような対立になっているように見受けられます。

著作権保護側:
「ネットでコンテンツが無料たれながしされているせいで、売上が落ちた。」
→元々有料で買っていたものを無料にて代替するようになったので、著作者の正当な利益が侵害・逸失されている。

著作権開放型:
「ネットで色んなPVが見られるようになったおかげで、新しいジャンルの音楽も開拓でき、CDもよく買うようになった。」
→無料でさまざまなコンテンツが視聴できることにより、むしろコンテンツ視聴者の幅が広がり、パイの拡大、底上げの経済効果があり、著作者にもメリットがある。

僕としては、個々の著作者レベルでのミクロな視点では前者の主張にも同意できますし、マクロ的・長期的視野においては、後者の意見というのも無視できないように思います。

ともかく、テレビが提供するコンテンツが世の中のコンテンツの中で占める地位は大きいということです。電車男(例が古い)などネット発でもゲリラ的に人気の出るコンテンツはあれど、定期的・安定的に一定の質のコンテンツを配信しつづけるテレビ局にかなうコンテンツディストリビューターというのはいまだいないのではないでしょうか。


■NHK大河ドラマからバラエティまで丸ごと視聴できてしまうサイト

・・・と前置きが長くなってしまいましたが、今日お伝えしたかったのは「これはすごい」サイトを発見したのでご紹介したく。2007年からすでに実は有名だったそうなので、いまさらかよというかたはスルー推奨です。

それはパンドラTVという動画配信サイト。

http://www.pandora.tv/ranking.ptv
これはすごい。

再生時間の長さ、画質はYouTubeやニコニコ動画なんて比較になりません。

「篤姫」
「花ざかりの君たちへSP」
「東のとナイナイ岡村のインド旅」
「アメトーク」
「スマスマ」


といったドラマやバラエティが1時間ごとまるまるアップロードされています。韓国発のサイトだそうですが、今日はじめて知りました。今は韓国側とは資本関係はなくなったみたいですが。

やはり、JASRACが著作権侵害ということで提訴しているそうで、いつまで今の形態でサービスが続けられるかはわからないですね。

JASRACがパンドラTVを提訴--著作権侵害動画の削除要求拒否で