フジテレビのドラマ「CHANGE」が話題になっています。
その中に、木村拓哉さん演じる朝倉啓太総理を支える秘書官として、深津絵里さん演じる美山理香が出てきます。
総理には、役所から派遣される「事務」の秘書官と、政治家の秘書としての「政務」の秘書官の二種類の秘書官が付きます。
深津絵里さんが、「政務」の秘書官で、彼女を取り巻くおじさん秘書官連中が、「事務」の秘書官です。
この各省庁から官邸に送り込まれている事務の秘書官たちが、総理の意向を各省庁に伝えると同時に、各省庁の意向を総理に伝える役割も果たしています。
各省庁とも、将来次官になるような一線級の人材を事務秘書官として派遣してきます。
そして、この事務秘書官たちと、どういう関係を築けるかが、政権の命運を決すると言っても過言ではありません。
基本的に、事務の秘書官は全て正しいこと(少なくとも、正しく見えること)を言ってきます。
その中で、何を変えるか、いかなる政治判断を行うのか、ここに政治家の存在意義があるわけです。
そして、そうした政治判断を行う際に重要な役割を果たすのが、政務の秘書官です。
ドラマの中では、元財務省キャリアの美山理香が、この政務の秘書官を演じていますが、
役所の方針と異なることをしようとするたびに、先輩であった財務省出身の事務秘書官から、嫌味を言われたり脅されたりします。
私は、彼女の気持ちがよく分かります。
役所においては、年次は鉄の掟だからです。
しかし、これからの政治には、先輩の指示に従わない「無礼さ」が必要なんだと思います。
なぜなら、役所の掟に従うことが、結果として、国民に対する無礼につながることがあるからです。
CHNAGEは大変楽しいドラマですが、ドラマの現実を覗いた経験のある私には、優れたシュミレーションドラマでもあります。
今後は、彼女のように、元キャリア官僚の政治家秘書も増えていくと思います。
それが、よりよい政治主導につながることを私は期待しています。
その結果、天下りも自然に減っていくのではないかと思っています。
いずれにしても、政治主導をサポートする人材の確保が不可欠です。
そうでなければ、政治主導は混乱を引き起こすだけに終わる可能性があります。
統治機構のあり方も、そろそろ具体的に考えていきたいと思います。
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