■生体細胞のエネルギー準位は細胞破壊境界線上にある:細胞のエントロピー収支 | タマちゃんの暇つぶし

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生体細胞のエネルギー準位は細胞破壊境界線上にある:細胞のエントロピー収支<newsNueq-4485-F>2024/02/06 23:58より転載します。
 
貼り付け開始、
   
 哺乳類の典型的な細胞には最大で100億個のタンパク質が含まれていて、
 タンパク質同士の平均間隔はわずか数ナノメートルである。
 その一個一個のナノマシーンが、細胞の大部分を構成する
 光速の水分子の衝突に依って絶えず揺さぶられている。
 まるで騒々しいナイトクラブのように、混み合ってやかましい環境だ。

 このような大混乱は細胞という機械をスムースに運転する上で
 問題になるようにも思えるが、同時に利点でもある。

 生命はかなりの労力を費やして絶え間ない熱的混乱状態に依る損傷を
 修復し、壊れた構造体を作り直さなければならない。
 タンパク質などの大きな分子は水分子よりも遅く運動するが、
 その分、水分子よりも遥かに重い。
 典型的なタンパク質は水分子の1万倍の質量を持つため、
 同じ量のエネルギーを持っている。
 室温ではその値は約3×10^-21ジュールとなる。
 これが典型的な分子のエネルギー量である。

 これは偶然にもキネシンなどの分子の構造を
 変形させるのに必要なエネルギー量や、
 分子をほどいたり壊したりするのに必要なエネルギー量に等しい。

 ※ キネシン
   細胞骨格の微小管( チューブリン )の上を歩く、
   クロネコヤマトの宅配員。
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/1c/Kinesin_walking.gif
   https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/1c/Kinesin_walking.gif

 そのため、生命の機械仕掛けのほとんどは、
 熱に依って破壊される瀬戸際で足元がおぼつかない状態にある。
 これも問題であるように思えるが、実はとても重要である。

 生命はひとつのプロセスであって、容赦ない分子ののうなり声による破壊は、
 構造の作り替えと新たな構築のチャンスを提供してくれる。

 ※ これが「 進化 」のミクロレベルから始まる鍵である。
   つまり、この論からは、進化には熱力学的作用 = エントロピー が
   作用していると云うことになる。

 このように、重要なプロセスは、
 ナノレベルに於けるエネルギースケールの「 偶然の一致 」にある。
 生命にとって液体の水は欠かせない役割を果たしており、
 生物が活動できる温度範囲はそれに依って定まっている。
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 ポール・デイヴィス『 生物の中の悪魔 』より。
 ※「 生物の中の悪魔 」は、量子物理学の祖:マックスウェルが
   設定した生命体に於けるネゲントロピーを司る司祭( 悪魔 )のこと。



                         nueq
貼り付け終わり、nueq さん解説。