■70代から運動を始めて90歳超でも30~40歳クラスの有酸素運動能力 | タマちゃんの暇つぶし

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GIGAZINE:2024年01月17日 23時00分70代から運動を始めて90歳超でも30~40歳クラスの有酸素運動能力を持ち室内ボート競技で世界チャンピオンに輝いた男性の秘密とは?より転載します。
 
貼り付け開始、

https://gigazine.net/news/20240117-late-life-exercise-aging-body/

 


「若い時に運動しておかないと老人になってから体が衰えてしまう」と考えている人は多いかもしれませんが、運動を始めたのが高齢になってからでもさまざまな健康効果を得ることができます。大手日刊紙のワシントン・ポストが、70代になってから運動を始めて92歳の時点でも健康な30~40歳クラスの有酸素運動能力を持ち、室内ボート競技で4度の世界チャンピオンに輝いた男性について報じています。

Physiological characteristics of a 92-yr-old four-time world champion indoor rower | Journal of Applied Physiology
https://journals.physiology.org/doi/abs/10.1152/japplphysiol.00698.2023


At 93, he’s as fit as a 40-year-old. His body offers lessons on aging. - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/wellness/2024/01/16/fitness-aging-richard-morgan/

オランダやアイルランドの研究チームは、老化に伴う筋力や体力の減少が避けられないものなのか、衰えを部分的には運動で補うことができるのかといった問題を調べるため、「非常に活動的な高齢者」を調査することにしました。そこで調査対象に選出されたのが、アイルランド・シャノン工科大学の運動科学者であるローカン・ダリー氏の祖父、リチャード・モーガン氏でした。

記事作成時点で93歳のモーガン氏は、ボートをこぐ動作を室内で競うインドアローイングの選手であり、2022年には90~94歳の部ライト級で世界チャンピオンに輝きました。これだけを見れば、単にアスリートとして優れた人物に思えるかもしれませんが、モーガン氏が特殊なのは「73歳になるまでスポーツや運動をやっていなかった」という点です。

アイルランド人のモーガン氏はパン屋やバッテリーメーカーに勤務していましたが、膝の関節炎もあって70代になるまで定期的な運動をしていませんでした。仕事を引退して暇を持て余していたモーガン氏はある日、大学のボート選手だった孫の1人と共に練習に参加し、コーチから勧められた室内でボートをこぐ動作ができるマシンを使いました。それ以来、モーガン氏はインドアローイングにのめり込み、年齢別部門で4度も世界チャンピオンになったとのこと。

研究チームの一員でオランダ・マーストリヒト大学の博士研究員であるバス・ファン・ホーレン氏は、「老化を理解したいのであれば、非常に活動的な高齢者に目を向ける必要があります」とコメント。もし、一部の人々が高齢になっても強い身体を維持できるのであれば、他の人々も同様に健康であり続けられるかもしれないと主張しています。


研究チームは当時92歳だったモーガン氏を研究室に招待し、身長・体重・体組成・代謝・心肺機能を測定したほか、詳細な食事メニューやトレーニング方法などについて聞き取り調査を行いました。その後、インドアローイングマシンに乗ってもらい、心臓・肺・筋肉をモニターしながら2000mのタイムトライアルに挑戦してもらったとのこと。

測定の結果、モーガン氏は体重の80.6%に相当する47.7kgの筋肉を持っており、体脂肪率は15.4%と、モーガン氏より数十歳も若い男性でも健康的だと見なされる状態をキープしていることが判明。また、タイムトライアル中の心拍数はピーク時で毎分153回に達し、90代としては史上最高クラスの非常に強い心臓を持っていることがわかりました。心臓血管の健康状態を示す指標である「酸素摂取動態」は、健康的な30~40歳に匹敵する数値でした。

論文の筆頭著者でアイルランド・リムリック大学の健康老化学教授であるフィリップ・ジェイクマン氏は、「研究室で過ごした中で最も刺激的な1日でした」とコメントしています。


また、特に印象的だったと研究チームが語っているのが、モーガン氏はこの並外れた肉体をシンプルかつ比較的簡単な運動ルーチンで作ったという点です。モーガン氏のトレーニングや生活習慣の特徴は以下の通り。

・一貫性:モーガン氏は1日平均で約40分、週に約30kmをローイングマシンでこぐというトレーニングを継続しています。
・複数のトレーニング強度の組み合わせ:ワークアウトの70%は非常に負荷が低く、モーガン氏はほとんどマシンをこいでいないとのこと。残り20%は難しいものの許容できる中強度の負荷で、10%はかろうじてこなせる高強度の負荷でマシンをこいでいるそうです。
・ウエイトトレーニング:モーガン氏は週に2、3回の頻度で重量を調節できるダンベルを使い、約3セットのダンベルランジダンベルローダンベルカールを行っています。
・高タンパクな食事:モーガン氏は多くの高齢者よりも多くのタンパク質を摂取しており、1日あたりのタンパク質摂取量は一般的な推奨摂取量である「体重1kgにつきタンパク質1g」を超えているとのことです。

モーガン氏は孫を通じて、「世界選手権を制覇することには確かに喜びがあります。何もないところから競技を始めましたが、ある時にふと、この競技をやることに喜びを感じたのです」とコメントしています。


93歳になったモーガン氏の健康状態と体力は、たとえ年齢を重ねても筋肉や有酸素運動能力が大幅に失うのは避けられないわけではないことを示唆しています。モーガン氏の一家にはボート競技の選手が多いため、遺伝的な要因もあるだろうと指摘されているほか、モーガン氏のパフォーマンスも年々減少しているのは確かです。しかし、運動は老化の影響を完全に消し去らないまでも、身体の衰えを遅らせてくれるという可能性をモーガン氏は示しています。

今回の研究には携わっていないアメリカのボール州立大学ヒューマンパフォーマンス研究所所長のスコット・トラップ氏は、「これは生涯にわたる運動適応の理解に光を当てる興味深いケーススタディです。人間が晩年に運動プログラムを始めることについてはまだ研究中ですが、人体が年齢を問わず運動に適応する能力を維持しているという証拠はかなり明確です」と述べました。

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