■他県民が絶対に読めない、地元民には当たり前の全国「難読地名」クイズ | タマちゃんの暇つぶし

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TRiP EDiTOR:他県民が絶対に読めない、地元民には当たり前の全国「難読地名」クイズ 坂本正敬氏2023/02/17より転載します。
 
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その土地の人でないと、なかなか読めない「難読地名」が全国にはたくさんあります。住んでいる人からすると当たり前に読める地名でも、他県民からすると「どういう意味?」となるケースも少なくありません。

そんな難しくて読めない難読地名ですが、地元民からその名を耳にしたとき、あるいは調べて読み方を知ったときに日本国内でのカルチャーショックを感じるものです。そこで今回は、全国にある「初見では読めない地名」をいくつかピックアップしてみました。

※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。

Q.鹿児島県の「那間」なんて読む?

image by:Shutterstock.com

 

鹿児島県にある「与論島」をご存じですか?鹿児島県の佐多岬の南の沖合に種子島や屋久島があり、さらに南下してトカラ列島を過ぎると、奄美諸島があります。

奄美諸島は大島や徳之島、沖永良部島などからなりますが、沖縄県との県境近く、沖縄本島から約23kmの距離に位置するのが与論島です。

全島がサンゴ礁からなる島で、コバルトブルーの美しい海を、何かの写真で眺めた経験のある人も多いのではないでしょうか。「幻の白い砂浜」と呼ばれる百合ヶ浜は、絶景好きには特に知られています。

百科事典によると、琉球王国の統治下に入っていた歴史がもともと同島にはあるそうですが、1609(慶長14)年に薩摩藩が侵攻し、同藩の直轄領となりました。

主な作物はサトウキビ・カボチャで、島の大部分では畑作が行われています。その島の北部に、「那間」という地名があるのですね。皆さんはなんと読むか分かりますか?

image by:Shutterstock.com


A.那間(なま)

『角川日本地名大辞典 46 鹿児島県』『日本歴史地名大系 47 鹿児島県の地名』で調べると、この地名は、もともとは「仲間村(なーまむら)」と呼んだそう。

1888(明治21)年にはその仲間村が那間村なり、1908(明治41)年に与論町の大字(おおあざ)になって現在に至るのですね。

ちなみに「字」とは町村内の区画を意味します。ほとんどが平地ながら、尾根などアップダウンも意外にある島ですので、与論島に訪れた際にはレンタカーを借りて、那間の辺りもめぐってみてはいかがでしょうか。

Q.山形県の「及位」なんて読む?

image by:photolibrary


難読地名としてマニアには有名な「及位」。山形県の北東部にある真室川町の一地域の呼び名で、真室川の上流(塩根川)に位置しています。JR奥羽本線の及位駅については、珍しい漢字の駅名として鉄道ファンにも知られているほど。

そんな山形県の及位は歴史ある場所で、江戸時代には、雄勝峠を控えた羽州街道の宿駅が発達していて、1868年(明治元年)には戊辰戦争の戦場にもなりました。

そんな「及位」はなんて読むか分かりますか?

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A.及位(のぞき)

語源は、当地の荒行が由来しています。「丁岳山地」「神室山地」など、山深いこの辺りは修験道が盛んで、丁岳山地にある女甑山(めこしきやま)には「のぞきの行」という珍しい荒行があるのだとか。

逆さづりになって、絶壁にある岩窟(がんくつ)の秘仏を眺める荒行で、修めた行者は高い位を得られるため、「及(ブ)位(ニ)」と書いて「のぞき」と呼んだといわれています。

『角川日本地名大辞典』『日本歴史地名大系』で調べても同様の記述があります。

ちなみに、同じ山形県には「(のぞき)」という地名もあり、お隣の秋田県にも「及位(のぞき)」が存在しています。宮城県伊具郡丸森町にも「(のぞき)」があるほど。

例えば、山形県の莅(のぞき)については、漢字そのものが「上から下を見下ろす」という意味になるそう。下方を見下ろせる高所が地名の由来として推察されるみたいですね。

次ページ:知らなければ絶対に読めない…

Q.岩手県の「江牛」なんて読む?


二戸駅停車中の「青い森鉄道701系」image by:photoAC

 

岩手県の北部に二戸市があります。青森県との県境がすぐ北にあり、青森側には三戸、さらに北上すると八戸があります。

逆に、岩手県の二戸から南へ進むと一戸があり、その東には九戸があるので、この周辺には一戸から九戸が密集しているのですね。厳密にいうと四戸だけが現存しません。

そのうちのひとつである、二戸に合併吸収された浄法寺町という地名がありました。現在の住所表記では、二戸市浄法寺町となっていますが、農業集落の地域単位として「江牛」というエリアが同町には古くから存在します。

農業集落とは、

<自然発生的に存在する地域社会で、家と家が地縁的、血縁的に結びつき、各種の集団や社会関係を形成してきた社会生活の基礎的な単位>(農林水産省の資料より引用)


です。では「江牛」がなんと読むか、皆さんご存じですか?


浄法寺町にある「天台寺」image by:photoAC

A.江牛(えろす)

テレビ朝日の番組『ナニコレ珍百景』によると、コミュニティバス(手倉森・江牛線)のバス停が江牛地域に存在し、バス停名も「えろす」と読むのだとか。

『角川日本地名大辞典』『日本歴史地名大系』の岩手県版にももちろん「江牛村(えろすむら)」「江牛村(えろしむら)」として掲載されています。

この語源は何なのでしょう。1803(享和3)年の史料には「エロウシ」との仮名が付されていました。しかし、明治初年の『新撰陸奥国誌』では「エロウシが何の意味をなすか分からない」と、当時の言葉で書いてあります。

1875(明治8)年に浄法寺村に合併され、江牛村は住所として消滅します。とはいえ現在でも、コミュニティのなかでは「エロウシ」「エロス」の呼び名が生き残っているのですね。

Q.青森県の「哘」なんて読む?


国指定史跡「七戸城」image by:photolibrary


先ほど、岩手県北部と青森県の東部には、四戸をのぞいて一戸から九戸までが存在するとお伝えしました。もちろん七戸もあります。

十和田の北、天間林村と七戸町が合併する形で、2005(平成17)年に新しい七戸町になりました。その七戸町内の旧・天間林村だった場所に、「」という住所があります。この土地にルーツを持つ人たちのなかには、哘という珍しい名字の人もいるみたいですね。

「七戸城」の東門。image by:photolibrary



A.哘(さそう)

難しい漢字なので、「哘」の文字を漢字辞典で調べてみました。意味は「誘う」で、多くは地名に用いると書かれています。


<「口+行」。一緒に行こうと誘う意>(学研『漢字源』より引用)


さらに国字でもあるのだとか。この国字とは、日本でつくられたオリジナルの漢字という意味です。しかし、この地名の由来については『角川日本地名大辞典』にも『日本歴史地名大系』にも記載がありません。

天間林村の旧名である天間館村の解説のなかに、支村として哘の地名が書かれているだけ。江戸時代の寛政年間(1789~1801年)の家数はわずか7軒だったそうです。

ちなみにこの少なさは、1782~1787年に発生した天明の飢饉直後という時代背景も。青森を含む奥羽地方では冷害がひどく、とくに飢えがひどかったそうです。

次ページ:初見でちょっと驚く地名が岐阜にあった

Q.岐阜県の「勢至」なんて読む?

image by:photoAC


岐阜県大垣市の南、関ヶ原にも近い場所に養老町があります。養老山地があり、「養老の滝」などもあるエリアですね。昔の天皇がこの土地に訪れた時、若返りの水を知り、元号を「養老」としたという話もあります。

その養老には、「勢至」という地名があることをご存じですか?「静かなるお立ち台」という展望スポットもあって、濃尾平野を一望する隠れた名所みたいですが、この地名の由来はどこにあるのでしょう。

「養老鉄道」image by:photoAC


A.勢至(せいし)

「勢至千軒、寺三ヶ寺」との言葉がいまに伝わるほどに、織田信長のころから江戸時代まで、大いに繁栄した過去を勢至は持ちます。

それは良質な水が豊富にあって、鉄などの重たい荷物の水運に適した地の利があったからだとか。

「清子」「勢子」などと古くは表記されたとの情報も『角川日本地名大辞典』『日本歴史地名大系』の岐阜県版に書かれています。


image by:photoAC


そもそも「勢至」という名前は、「勢至寺」と呼ばれるお寺が同地に存在したからだとも考えられるみたいです。江戸時代から1889(明治22)年までは村の名前で、それ以降、現在に至るまでは養老町の大字の名前になりました。

このように全国にある難読地名は、読み方を聞くと、いろいろ歴史があったり、由来があったり楽しさ満載。こうした地名を探しに全国を旅すると、学びがあって新しい発見もあるかもしれませんね。

参考

及位の冬は全て雪の中 – 東北森林管理局

宿場ルート – 羽州街道交流会

ブリタニカ国際大百科事典

レファレンス事例詳細 – レファレンス協同データベース

江牛 (0321307012) | 農業集落境界データセット

都道府県市区町村落書き帳

バス停名「女の都団地」「十八女」なんと読む? 全国の難読&珍バス停名に由来あり – 乗りものニュース

勢至鉄座之址 – 岐阜県養老町の歴史文化資源

image by:photoAC

※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。

※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。

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坂本正敬

翻訳家・ライター・編集者。成城大学文芸学部芸術学科卒。富山在住。主な訳書『クールジャパン一般常識』、新著(共著)『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日』。北陸のWebメディア『HOKUROKU』創刊編集長。WebsiteTwitter 

 


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