■米国市場はメルトダウン警報発令 | タマちゃんの暇つぶし

タマちゃんの暇つぶし

直ぐに消されるので、メインはこちらです→ http://1tamachan.blog31.fc2.com/ 

マネーボイス:米国市場はメルトダウン警報発令。パウエルFRB議長「経済後退も止むなし」のタカ派発言の可能性浮上=新天地 2022年8月23日より転載します。
 
貼り付け開始

https://www.mag2.com/p/money/1223812
 

22日の米国市場はNASDAQを中心に大きく下げましたが、いよいよメルトダウンとなるのか?26日のジャクソンホールでのFRBパウエル議長の発言に市場は警戒をしている。想定以上のインフレで「経済後退も止むなし」という踏み込んだ内容となるのか疑心暗鬼になっている。

(『新天地の株式投資日記』)

【関連】米国株式市場は“異常な金融引き締め”に耐えうるか?「先行銘柄」とインフレ・ウクライナ・半導体で読み解く22年後半相場の行方=新天地

※本記事は有料メルマガ『新天地の株式投資日記』2022年8月23日号の一部抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。実際に配信されたサンプル号もお読みいただけます。

プロフィール:新天地
祖父の影響で子どもの頃から株の売買を行う。証券会社で自己売買業務を経験後に退社、現在はデイトレーダー。メルマガでは主に脱初級・中級者向けに、東証・NYの市況(市場雑感)、相場の考え方、取引手法などを解説。一般に書かれることが少ない空売り戦略や取引アルゴリズムに関してもプレーヤーの立場から丁寧にフォローする。

この記事の著者・新天地さんのメルマガ

初月無料のお試し購読はコチラ

利上げを警戒し始めた米国マーケット

22日のアメリカ市場はNASDAQを中心に下げ幅が大きくなった。向こうの報道ではやや大袈裟とは思うが「メルトダウン」(溶解)と。

ただ、日経平均は昨日も300円下げて100円ちょい安に戻った。225夜間先物はそこから再び300円の下げ。そう考えると日経平均先物はアメリカが下がったほどには売られてはいない。

金曜日に引き続きFRBがタカ派政策を継続するのではないか?という警戒感がきつく、長短金利が上昇継続。週明けの22日も警戒感が継続する流れになった。 日程的に26日にジャクソンホールでパウエル議長の講演が予定されていて、そこで金融政策の今後の方針が示されると考えられる。

そこで 「去年とは打って変わってインフレ抑制策についてタカ派的発言をするのではないか?」と。というか、そこまで追い込まれてるんじゃないかと。

普段なら、必ずしも政策金利引き上げ期間が株価の下げ継続につながるわけではない。しかし市場が予想していたよりも大きな利上げが連続して行われるようなケースでは、株価が継続して下がりやすい。まさに「歴史的に見ても大きなインフレ」退治のために利上げをぜざるを得ない、今がそういう状態なのではないか?と。市場参加者の考えが急に「元に戻った」ことが金曜月曜の下げの背景にある。

利上げで経済後退も止むなし。ハト派が転向

去年ジャクソンホールでパウエルは「インフレは一時的」と発言して、FRBは金融緩和を継続。株価は上昇したが、結局これがさらなるインフレを招き入れ、今の株安につながった大失敗の経緯がある。その「正否にかかわらず発言の影響は大きい」。

パウエルは今年7月のFOMC後の会見でも、政策金利上昇に条件付きながらブレーキをかけるような「ハト派回帰」的発言をして、先週までの株高につながった。

ところが ここにきて元々タカ派だったFOMCメンバーだけでなく、「元ハト派」メンバーからも、インフレを退治するためには利上げを継続すべき、極端な場合は経済後退も止むを得ない(株価が一時的に下がっても仕方ない)という強硬なタカ派発言が相次ぐ。

下手に景気を意識して金利引き上げに躊躇するならば、結果としてインフレ継続を招き、そっちの方が経済成長に長期的かつ大きなダメージを与えるから、今は無視しても、インフレ退治に力を入れるべきだと。

結果として、 長期金利は再び3.0%を超え、PERや配当率の関係で金利上昇下では割高になるとされるグロースが売られたほか、金利引き上げで「景気へのオーバーシュート」(行き過ぎ)懸念から、景気敏感株も消費関連株も売られている。

本来ならディフェンシブ銘柄に買いが向かうのだが「FOMC参加者が言うほど、インフレ圧力が高い」のなら、簡単に値上げが難しく、利益が上がりにくいということで、薬品などのディフェンシブも大きく買われる動きはなかった。

ロシアの脅しによる天然ガスの急騰

さらにロシアの「脅し」により天然ガスが急騰していること、サウジアラビアが増産を行わないなど原油供給を絞ってくるのではないかという警戒感で原油が上がってることもマイナス要因になった。

いわゆる安全資産への逃避が顕著で成長株や仮想通貨の下げがきついね。ドル高も金利高も仮想「通貨」であるとすれば、利子もつかない暗号資産にはマイナスになる。

天然ガスの価格急騰は、ロシアがノルドストローム1というパイプラインを8月31日からメンテナンスで3日間止めるという報道がきっかけ。 再開も怪しいという見方から、価格上昇に輪をかけた。これがインフレ懸念を高めている面は大いにある。

シカゴ連銀経済活動指数が0.27とコンセンサスを上回ったのも、利上げ継続につながるとマイナス材料とされてしまった。この経済指標が出たことで、短期債だけでなく長期、超長期債に売りが出た。

また、先週金曜日は、アメリカのミニSQ日。SQ通過でプットオプション買いなどの「保護的ポジション」を失った投資家が、新たにプット買いやコール売りを持ったと思われる。(プット買い+コール売りポジションは合成先物売りポジションとなる)これが先物売りと同じように株価を下押しした面も強いだろう。

金利上昇に弱い半導体株

インテルが52週安値をつけるなど半導体株が売られた。売買高も普段より多い銘柄が目に付く。元々「グロース的」な性格があって金利上昇に弱いとされる上に「景気悪化を伴う金利上昇」なら、半導体需要の減少が見込まれ、現在のような価格や利益が維持できないのではないか(半導体は需要の価格弾力性が低いから、今までの供給不足の中で高値を保ってきたが、逆に言えば、そこで需要が減少すると、半導体価格は大きく下がる可能性がある)との売りがキツくなった。

AMD3.2%安、エヌビディア4.6%安、マイクロン3.6%安と、ロジック、メモリ共に下げがきつい。通信半導体のクアルコムの下げも4.0%と大きくなった。無線・有線通信系半導体デバイスのブロードコムも3.6%安。さらにASMLは4.6%、AMAT3.6%、テラダイン4.6%、ラムリサーチ4.0%と、半導体製造装置が「いままで値もちが良かった」分下げがキツくなってる。

半導体指数SOXは3.7%の下げで、ナスダックに比べても下げ率がキツくなっている。

指数に関連する時価総額の大きな銘柄も売り

指数の下げに対応するためにも時価総額が大きな銘柄から売られている。

アップル2.3%安、アマゾン3.6%安、グーグル2.6%安、メタ2.9%安、マイクロソフト2.9%安。

グロースではネットフリックス6.0%安、ペイパル3.0%安、メルカドリブレ3.5%安、コインベース3.5%安など。

ネットフリックスは、CFRAが今年下半期の業績減速を予測してて、これで売りが嵩んでる。目標株価を238ドルに引き下げた。ストリーミング業界の競争激化を予測している模様。これでディズニーも巻き添えを食らって下げている。日本の動画配信銘柄にも影響あるだろうね。

自動車関連銘柄もきつい下げ

テスラも大きな材料はみあたらないが2.3%安と下げた。EVと自動車は「景気が悪くなると売り上げが下がる」という見方が強いわけで、売られやすいセクターではあった。リビアン4%安、フォード5%安、ルーシッド3.9%安、GM2.9%安。

フォードはオプションがらみもあって値動きが大きく、出来高も売買代金25位と膨らんでいる。

また出来高がすごく多いわけではないけど、EVの周辺銘柄である「充電関連株」の下落が大きいのも目につくね。チャージポイント6.0%安、ブリンクチャージング7.1%安、ボルタ7%安。

先週までインフレ削減法案で、この手の「グリーン株」は持ち上げられていただけに反動安が大きくなっている。6月に投資銀行のBライリーがチャージポイントをトップピックにしてからは、バブル的な人気もあった。金利上昇をうけて「まだ赤字」が多い充電関連のグロースには売られやすい条件もそろったのだろう。

ミーム株下落で個人の投資意欲も減退

昨日急上昇したオキシデンシャルペトロリウムだが3.2%安と流石に反落。原油関連は石油ほどは強くない。

「景気が悪くなっても利上げ継続」という金曜日の要人発言に反応したのが銀行や小売、支払い代行関連株になるね。

銀行ではバンカメ2.1%安、JPモルガン1.7%安、シティ2.6%安、ゴールドマン2%安。

小売系ではコストコ1.6%安、ホームデポ2.8%安、ウォルマート1.8%安。カードはマスターカード2.5%安、ビザ2%安。

景気敏感という目線からは3Mが売買膨らんでて2.5%安、ハネウェル1.9%安、キャタピラ1.9%安。

引き続きミーム株も安い。

AMCは「劣後新株」の発行もあって41%安(実際には別で株がもらえるので、数字ほどは下げてはいないけど)。ゲームストップ5.5%安、ベッドバスアンドビヨンド16%安。 ミーム株の下げが個人投資家の投資余力と買い意欲をハゲさせているところもあるだろう。

有料メルマガ好評配信中!初月無料です

【関連】個人をカモる機関投資家の“罠”はしたたか。株売り抜けのシグナルは最高値圏で現れる=新天地

(筆者注:このメルマガは新天地の考え方を書いたもので、特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。

 


貼り付け終わり