大源太山コブ岩尾根
巻機山の南西に鎮座するその急峻な山は上越のマッターホルンと呼ばれています。
2016年、そんな山にわたしはWAKAさんと挑戦し、結果リッジ崩壊の憂き目にあい、雪崩に200m強流されました。
その件については下記アドレス投稿先参照のこと。
https://ameblo.jp/tama-xx/entry-12144451754.html
https://ameblo.jp/tama-xx/entry-12145557421.html
失敗した大源太を取り戻す機会が、城内坂ロードレースの次土曜日に巡ってきました。今回は2016年一緒に挑戦したWAKAさんに加え、やる気抜群の新人Kくんの3人編成で挑みます。前回は隣の山とあわせた1泊2日の行程で挑みましたが、今回は大源太山コブ岩尾根ルートに絞り日帰りで挑戦します。
清水から丸の沢までの林道が雪崩のせいで傾いており、なかなか骨の折れる道中となった。
2年前に渡渉を余儀なくされた丸ノ沢出合にはしっかりスノーブリッジができていました。その後の沢筋もしっかり埋まっており、ルート選びに困ることはなかった。2年前は渡渉につぐ渡渉だったのに。これが本来の大源太のアプローチなの?!
コブ岩尾根の下部でWAKAさんと意見交換。週中の暖かさで雪崩きっているように見えるが、標高の低いところは、崩壊し残りがぐずぐずとしている感じ。下部さえ抜ければ行けそうだけど、どうしよう。行くかい。行けるのかい。
Kくんが稜線に出るまでのラッセルを志願してくれたので任す。らくちん
昨年同様出だしは藪漕ぎからスタート。
違ったのは、崩壊し残こった雪が不安定だったため、ザイルを早々と出したこと。ダブルアックスで岩をトラバース。
今回はKくんもいるので危険個所を抜けた後もザイルを片付けずコンテスタイルで登ることにする。
予報通り青空が広がってきた。やりー
上に見えるはトサカ岩。
トサカ岩はWAKAさん先頭で登っていく。
そしてトサカ岩から右巻きしてもう一登りすると、わたしがリッジ崩壊の憂き目にあった場所が現れました。この日は安定したリッジになっており、崩壊なんてしそうもないそれでした。やはり2年前は雪が少なく条件が悪かったのだ。これが普段のコブ岩尾根か。振り返りながら、わたしが雪崩に流されたルートを確認。200m強というより、250m弱流されていたことを高度計で確認。このラインを仲間が流されていくのを目視していたWAKAさんの心情を思うと申し訳ない気持ちでいっぱいです。
ここに2年越しの遺憾の意を表明致します!
危険個所はスタカットにしつつも、
上部は基本的に安定したリッジ歩き
とはいえ、やらしい箇所や立っている箇所は適時スタカットで挑む。
ときたまにでてくる急なところ
どーん
ばーん
どいーん
面白いところがたくさん出でくる稜線歩きに満足の3人。そして目指してきたコブ岩の基部に到着。
コブ岩基部は出だし左巻きする。そこから上手くルートを見出して尾根に戻れれば勝ち。
戻れた。本当に狭い岩のリッジにまたがり感慨にふける。
ルート取りは赤ライン。雪と岩のミックスでここが一番手強かったとはKくんの弁。
コブ岩尾根からメインの稜線に合流するためトラバースをして、
一登りしたところが大源太山の山頂です。山頂はマッターホルンと呼ばれているだけあって鋭角でした。
誰も汚していないノートレースのルート、山頂を満喫。
こんな綺麗な山頂は見たことがない。
WAKAさんとKくんとがっちり握手をして、下山の準備に入る。山行は下山が終わってはじめて目的が達成されます。山行はまだ道半ば!七ツ小屋方面の急なリッジを慎重に下山開始。
日が暮れる前に尾根を下りておかなくてわ。
下山は大畠の沢の状態が良くて、案外スムーズに済ませることができました。雪山は条件次第でなにもかもが違ってきます。臨機応変に現場で対応できるスキルが必要不可欠でしょう。そして、いやらしい時にはザイルを出す。今現在、海外遠征に向けてコンテスタイルを練習しているので、この日は一度出したら最後ザイルをしまわなかった。時間を無駄に弄してしまいましたが、後輩と一緒だったし、安全を買えたと思えば安いものです。
兎にも角にも、このルートはとてもいいですよ。ただの雪稜歩きや岩登りには納まらない、まさにアルパインといった岩と雪のつめ、最高です。2年前に落とされ流されたことはわたしの財産となっておりますが、この日ノートレースの山頂を踏めたこと、WAKAさんと戻ってこられたことがなによりも嬉しいです。山よ、仲間よ、ありがとう!
【コースタイム】清水6:00発―7:30丸の沢出合―8:45コブ岩尾根取付―11:30トサカ岩―15:15コブ岩基部―17:15大源太山―清水21:15着