RINの奇妙な恋愛 ~The strange tale of romance ~ -15ページ目

RINの奇妙な恋愛 ~The strange tale of romance ~

こンな髪形してますが、アラフォーのおっさんです。
このブログでは、過去に体験した奇妙な恋愛話を綴ってます。
一部不快な表現も含まれておりますので、予めご了承ください。

「あ、リンくん!こっちこっち!」

小さい声で叫ンでいるのは、常連客のノンちゃんコト、ノボルくんだ。

彼と岩田クン、それから高井サンの3人はどうやら眞知子サマに憧れている独身男性で、眞知子サマが出勤する週3回は必ず店に来ている。

憧れていると言っても口説いたりはせずに、終始にこやかに遊んで帰るので、眞知子サマにとっては優良な客のようだ。

「どうしたン?そンな小声で・・・」
「シッ!アイツが来てるンだよ」
「アイツ?誰のコト?」

ノンちゃんは私の顔を見たまま、親指を立てて、後ろ向きで奥のボックス席を指した。
どこかで見たような顔が見える。

「ん?どっかで見た顔やなぁ」
「あ、そうか。リンくんも同じ学校だったネ。アイツだよ、アキラだよ!」
「おお!アイツか。なンでアイツがこの店に?」

アキラとは、私と同じ中学の同窓生で、昔はソコソコのワルだった。
自分より強い相手、強そうな相手には絶対に立ち向かわない、キモの小さい小悪党だったが、自分が優勢か、または優勢と思える相手には、情け容赦無く危害を加えるような卑劣漢でもあった。

ノンちゃんのハナシによると、2年前ぐらいから2~3ヶ月に一度やって来て、必ず常連客とトラブルを起こすらしい。
私は身長182だが、アキラは私よりまだ大きく184cmはあるだろう。
160を切る小男のノンちゃんは、口ごたえするのも恐ろしい相手だ、

しかし、それでもノンちゃんは顔を顰めながら、アキラのハナシを続けた。

「アキラはネ、リンくん。コトもあろうにボク達の前で麻耶サン(眞知子サマの源氏名)を口説くンだヨ!絶対に赦せない!」

ーーーホンなら、私と眞知子サマの関係が知られたら、私は常連客に殺されるなぁ(>_<)

私は一瞬、顔色が変わったと思うが、ノンちゃんは全く気づかず、尚も口角泡を飛ばしながら、アキラの悪行を語り続けた。
今夜は珍しく岩田クンと高井サンも来てないようで、さらに女性陣は奥のボックス席へつきっきりのため、ノンちゃんしかいないカウンターにいる私は、かなりの時間 聞き役に回った。

しかし、終電の時間になると、まるで潮が引いていくようにお客さんが帰ってしまい、店内は、カウンターには私とノンちゃん、奥のボックスにはアキラ1人ダケとなった。

このあと、血まみれの事件がおきるのだが、続きはまた次回まで・・・
『さぁ、これでOKヨ!お昼は途中で食べるケド、そのトキはどうするかまた考えてあげるカラ♡』
ベンツ

自宅を放逐されてから1カ月が経過した。
今日はかねてから眞知子サマが企画していた1泊2日の温泉旅行だ。
土曜の朝は本来なら寝不足で機嫌が悪いハズなのに、眞知子サマはかなりハイテンションになっている。
それもそのハズで、クルマの運転席に座っている私は、ほとんど裸同然だから。

『しっかりハンドルを握ってネ!アタシはリンの○○○を握っててあげるカラ♡』

―――――そンなぁ・・・。運転に集中できませんよぉ・・・。

このところずっと優しかった眞知子サマだが、やはりドSの本性が抑えられないのか、今日は寝不足のせいもあるので眼が血走っている。

『なぁに?不満があるの?』
「い、いえっ!だ、大丈夫です!!」

機嫌の良いトキは逆らわないの方が良いので、私はニコニコしながらクルマを出した。
行先はW県にあるK温泉だ。

温泉

眞知子サマのクルマはSUVなので、道路から運転席の中まで見えるコトはまず無いが、途中で大型トラックを追い越す時にはヒヤヒヤしながら運転した。
ともあれ、なンとか昼前には目指していたお店に着き、昼食を食べてからは何事もなく旅館に到着した。
昼食を食べるトキも旅館に着いたトキも、眞知子サマは私に服を着せてくれたので助かった。

旅館に着いた後は何事もなく浴衣に着替え、和やかな雰囲気で食事を楽しンだので、例のプレイはしないモノと思っていたが、やはり考えが甘かったようだ。

首輪

『さぁ、ぢゃこの首輪を着けてあげるネ♡』

―――――やっぱり、か・・・

ところが、首輪を嵌められたとたん、ナゼか私の下半身は反応しているではないか・・・

『あ~!なぁんだ。やっぱりリンも嬉しかったンじゃない!うふふ♡』
「い、いや、ち、違うンです!」
『い~え!ナニも違わないわヨ。さぁ!一緒に露天風呂に行こ!』

このK温泉は川を掘ると湯がわき出る温泉で、屋外に千人は入れるという大きな露天風呂がある。
時刻は10時を過ぎていて、温泉客はもうほとんど歩いていない。
眞知子サマは私の首輪に着いたリードを握って、嬉しそうな顔でそこまで歩いた。

『あれ?もう誰も温泉に入ってないのネ。ちょっと残念』

―――――いやいや、誰もおらンでけっこうデス。助かったぁ~

露天風呂のすぐ手前には脱衣所があり、と言っても屋根があって脱衣籠があるだけだが、そこへ温泉客は衣服を脱いで入れるらしい。
私は渋々ながら浴衣を脱ぎ、裸になった。
ところが、眞知子サマは自分ダケちゃっかり湯浴み着を着ていた。

湯浴み着

「あ!ず、ずるぅ~!!」
『ナニよ!リンはアタシの裸を誰かに見られても良いの!?』
「い、いえ。そ、それはイヤです」
『じゃぁいいジャン。さぁ、一緒にお風呂に入ろ♡』

まぁ、結局は誰も見ているヒトがいないので、満天の星空の下、思いっきりイチャイチャしながらお風呂に入れたので、私はとっても幸せだった。

『前にリンを羞恥責めにしたのは外国だったでしょ?いくらアタシでもやっぱり国内ではムリよ!』
「そ、そうですよネ」
『でも、お外でエッチなコトするのって、とっても楽しいワ。』
「は、はい。私も幸せです」
『じゃぁ、お部屋に戻って、もっとたっぷりしましょ♡』

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このブログを書くにあたって記憶を辿っているが、思えばこの時あたりが一番幸せだったかもしれない。

この後の1年半はわりと平穏無事な生活が続いたようだが、他人の惚気話を聞くのは退屈なモンだ。
やはり、「人の不幸は蜜の味」と言うように、次回からはもっと私の不幸話を書こうと思う。

そして、そろそろ過去と決別して、呪縛から逃れようと思う。

『アタシね、ホントは水商売なンてしたくなかったのヨ。』

3度目の絶頂を終えたあと、眞知子サマは私の○首を弄びながら、少しけだるそうな表情で語りだした。

ピロートーク

私がこの部屋で生活するようになって5日が経った。
自宅に比べると駅から少し距離はあるが、会社までの距離は3駅分近いので、通勤時間は少し短縮された。
この周辺は独身の住人が多いようで、スーパーにある総菜コーナーのバリエーション、定食屋の数、コインランドリー等が豊富で、私は今のところ不自由はしていない。

眞知子サマは私を完全に独占できて心境に変化が出たのか、以前よりもかなり優しくなった。
そして、それはプレイの内容にも反映されている。
それは、これからは眞知子サマの好きな時間にいつでも逢えるから、私を貪欲に求める必要が無くなったからだろう。
だから、1日に4回も5回もすることは無くなった。(でも最低3回は求めるが・・・)

なによりも驚いたのは、昨夜と今日、正常位で私を求めてきたコトだ。
眞知子サマはいつも必ず私の上に乗っていたが、昨夜は初めて自分から下になって正常位で求めてきた。でも、私が上になったと言っても、後ろに回した手でお尻を叩いたり、○首を引っ張ったり噛んだりするので、私が犯されている感は同じだが(苦笑)。

―――――私が逃げる心配が無くなったので、心にゆとりができたかナ?

私が覚悟を決めたせいなのか、ここ数日の眞知子サマは私にとっても優しく接していただけるので、なンだかとっても幸せな気分だ。
今夜は眞知子サマの手料理を頂いて、そのあとはごく普通のエッチをし、今はその余韻に浸っている。

女子大生

大学はね、K学大だったの。
これでも文学部の英米文学英語学専修だったのヨ。うふ。
だから自宅から遠かったンだ。
それで友達と一緒に住むと言って、家を出たのが大学1年の冬頃だったわ。
でもね、友達って言うのは大嘘で、その時に同棲したヒトがアタシの○○(上の子)の父親だったの。

大学がK市だったからよくK市で遊ンでて、そこで彼と知り合ったの。
彼はアタシより10歳年上で、そのとき28歳だったかな?
その時はK市でも有名なアパレルメーカーの社員だったの。

え?歳が違う? あぁ、アタシ、早行きの3月生まれだから。
そうそう、ホントはリンよりまだ1歳若いのヨ。
リンは6月だから、9ヵ月も若いワ。うふふ。

それでネ、同棲して1年後に彼が独立して○○○にブティックのお店を開いたの。
そのころにはアタシのお腹に赤ちゃンがいて、彼もアタシの両親にイイカッコしたかったみたい。
え? 両親はもちろン反対したわヨ。だって、アタシはまだ学生だったから。
でも妊娠したコトが判った時には、仕方がないからって入籍だけはしたの。大学も辞めちゃった。

彼が独立するトキって、2人はほとンど駆け落ちだったから、どっちの両親にも頼れない状態だったの。
独立資金? ああ、彼はそこそこ貯蓄もあったンだけど、おカネを借入するときはアタシも連帯保証人になったのヨ。
え?未成年って? リン、あなた「宅建」持ってるなら知ってるでショ?
未成年でも結婚したら成人と同じなのよ。

お店がオープンして、最初の1カ月でかなりの売り上げがあって、だいぶ利益が出てたのよ。
お店が順調だから、アタシはこのまま赤ちゃン産ンで、幸せなお嫁さンになれると思ったわ。
でも、ダメだった。運がなかったのネ。

「い、いったい何があったンですか・・・」

交通事故。それも轢き逃げだったのヨ。
取引先を接待した帰りに轢かれて、ほとんど即死だったの。
真夜中だったから目撃者もいなかった。明け方に警察から電話があって初めて知ったの。
彼はまだ20代だったし、それに開店資金を貯めるタメに必死で、生命保険にも入ってなかったの。

「ええっ!?」

お店も商品も何もかも全部処分したわ。そして彼もいなくなった。
でも、借金だけは残ってるの。おかしいよネ。ふふっ。

「りょ、両親は?」

もちろン、両親は助けてくれるって言ったわ。
でも、おなかの子供を堕ろせって。
アタシ、それは絶対に出来ないって言って、一人で子供を産ンだの。
でも、乳呑児かかえて借金返すなンて、普通の仕事じゃ無理じゃない?だから水商売に入ったの。

ネオン街

それから2年くらいあとかな、オッサンと知り合ったのは。
「オレが出資するから店を出せよ」って言ってくれて。
うン、アタシが22歳の時だったわ。
オッサンはアタシより一回り上だから、そのとき34歳。
もうすぐ社長になるから、そのくらいのカネはどうとでもなるって。

「そ、それで?」

それでって、リン、あなたホントに29歳? もうじき30歳でしょ?
ホントにオボコ過ぎるわネ。
うふ。でも、それがいいンだけど。
アタシはお店でナンバーワンだったのよ。
単なる出資話のわけないじゃン。

まぁ、幸いにオッサンは離婚した後だったから、わりあい簡単に再婚できたケド。
それで、23歳の時にアタシは今のお店を開いたの。
オープンの時からずっと頑張ったから、2年後にはそれまでの借金は全部きれいに無くなったの。
そのころには○○(下の子)も生まれて、今度こそアタシは幸せになれると思ったンだぁ。

「し、幸せじゃなかったンですか?」

オープンした時はオッサンも毎日お店に来てたンだけど、別に来なくたって家に帰ったらアタシはいるワケじゃない。
それに、オッサンの知らないお客がどンどン増えてくるワケだし、だから、だンだンとアタシを疑うようになってきたの。

「な、何を疑うンです?」

そりゃぁ、お客との仲にきまってるじゃない!
リンはそンなコトにも疎いのネ。

○○(下の子)が出来たときだって、「ほンまにオレの子か?」って聞いたのよ!信じられないでしょう?
そりゃあ、雇われで勤めてる時はお客を掴むためにいろいろヤったわよ。
でもね、ママが自らそれをやってたらお店は流行らないの。
って、リンはこンなコト知らないわネ。ふふっ。

「は、はぁ。さっぱり解りませン。」

いいのヨ。リンはそのままで。
それでネ、オッサンは○○が生まれてからずっとアタシを疑ってるし、アタシはアタシでお店と子供にかかりっきりだし、それに、アタシの借金は終わってるから、オッサンにとやかく言われる筋合いはないのヨ。

まぁオッサンにしても、投資したお金は全額回収したワケで、自分は養わなくても勝手に金を稼ぐ女がいてたらラクだわよネ。
だから、アタシが26歳くらいの時には何人も外に女を作ってたみたい。

「な、なンで・・・?」

え、わかるかって? リン、アタシの眼力を舐めてたらダ・メ・よ! ふふっ。
アタシはハタチからずっと水商売やってたのよ。
だから、男と女の駆け引きもずっとやってきてるの。
この客はどの娘が目当てで、この娘はどの客を落とそうとしてるかって。
アタシは知らないふりしてるけど、ウチのお客の8割以上はアタシを狙ってるのよ。

「じゃ、じゃぁなンで私なンかと・・・」

リンは違うの。リンには駆け引きなンか要らないから。
リンって、考えてるコトが全部わかるから、すっごくカワイイの。
まるでちっちゃい子供みたい。うふふ。
それに、アタシの前でもヘンに格好つけたりしないし、アタシを普通の女性として扱ってくれるでしょ。

「ふ、普通って。素晴らしい女性だと思ってますケド」

そう、ありがと♡

それに、ドMってコトもとっても気に入ってるのヨ♡。
同窓会のトキにアタシがリンの膝に座ったの覚えてル?
普通なら絶対嫌な顔するのに、オドオドしてて、とっても可愛かったわ。
アタシが無理な注文をしても、ぜ~んぶ聞いてくれたくれたデショ?
だから、あの時に「この子、絶対にアタシのモノにする」って思ったの。

―――――これは、半年ぐらいじゃ逃げられヘンかなぁ・・・

眞知子サマは確かに不幸だったようだが、自力でそれを切り開くチカラも備わっていた。
若くしてお店を経営し、そして成功したのなら、私の知らない「恐ろしい力」があるのも今では何となく理解できる。
そして、眞知子サマは誰よりも美しくて、誰よりも私を必要としてくれるのなら、別に逃げる必要も無いンじゃないか。
私はさっきからそンなコトを思い始めた。

しかし、眞知子サマはドSだというコトを忘れかけていた。

『そうそう、次の旅行は温泉だったわね。 露天風呂で首輪を付けたプレイって刺激的じゃない?』



つづく