RINの奇妙な恋愛 ~The strange tale of romance ~ -14ページ目

RINの奇妙な恋愛 ~The strange tale of romance ~

こンな髪形してますが、アラフォーのおっさんです。
このブログでは、過去に体験した奇妙な恋愛話を綴ってます。
一部不快な表現も含まれておりますので、予めご了承ください。

昨夜の続きを書くべきなンですが、なるべく非・暴力的に書こうと思ってます。

ところが、私の業務は月末・月初が忙しいタメ、なかなか筆が進みません。

それに加えて、最近読者になった方のブログがとっても魅力的なンで、自分のブログよりもそちらのコメントに夢中になっております。

閑話休題。

明日はちゃんとアップしますので、今夜はお許しいただけますよう、よろしくお願いいたします(>人<;)

『もぉ!ウチはそンなお店じゃ無いって言ってるでしょう!』

奥のボックス席から眞知子サマの声が聞こえてきた。

「またやってるヨ、アイツ!何度言っても訊かないンだヨ!」

キャバクラで散々ボッタくられたあと、オマケにそこのボーイさんにまでチップをあげたコトのある、まるでお人好しの見本みたいなノンちゃんだが、ことアキラに関しては違うようだ。

さっきからノンちゃんは、ニガ虫を10匹くらい噛み潰して、さらにセンブリでそれを飲み下したような顔をしているが、それでも飽きるコト無くアキラの悪行を語っている。

ノンちゃん情報によると、アキラはいつも部下を3~4人引き連れてはこの店に来て、酔いが回ると部下を怒鳴りつけているらしい。
そして、いつも部下が辟易して先に帰るのだが、その後は決まって常連客に絡むそうだ。

今夜も例に漏れず、終電を理由に部下が逃げるように帰ったので、今はこの店の若いホステスに絡みついているようだ。

「だいたいアイツは・・・」

カラダが大きくて声もデカいから、大抵のサラリーマンなら謝るか逃げるかするので、今のトコロ「負け知らず」でテングになっている。

と、言うようなコトを言いながら、今度は目尻に涙を溜め始めた。


「おう!もうそろそろ店を閉めて、オレとホテルへ行こうや!」

ーーコレは聞き捨てならン!
大抵のコトなら黙って許してやるが、私の大事な眞知子サマになンてコトを言いやがる!!

そう思った私だが、スグに作り笑顔に替えて、アキラの席へ近づき穏やかに話しかけた。

「まぁまぁまぁ。ナニを怒ってるか知らんケド、こっちのカウンターへ来て一緒に飲もうや」

アキラは渋々ながら頷いたので、背を向けてカウンターへ向かう刹那、背中に強い衝撃があった。

「オノレ!何様のつもりぢゃ‼︎」

振り向くと残忍な顔を向けて、アキラがこちらを睨んでいた。

『ちょっと!乱暴しないでヨ‼︎』

眞知子サマが2人の間に割って入ろうとした。
しかし、アキラは眞知子サマの腕を強引に捻り上げようとした。
ノンちゃんは私の後ろで声にならない悲痛な叫び声を上げているようだ。

「オレが我がのオンナとナニをしようが、オノレに関係無いやろうが!」

????

ーーーナニを言ってるンだ、コイツは?

私は怒りを通り越えて、奇妙な生き物を見るような目でアキラを眺めた。

「リンくん!違うヨ!アキラはこう言って、いつも麻耶サンを我が物にしようとしてるンだ!」

ーーーははぁ・・・

ノンちゃんがさっきから怒り心頭で語りたかったのはこのコトか。

「ワレェ!ええカッコしたいようやが、オレに勝てるとでも思ってるンかぁ!オモテへ出ろぉ‼︎」

アキラはそう叫ぶと、スタスタと店の外へ出た。

「ダメだヨ、リンくん‼︎ アイツはリンくんよりもっと大きいンだヨ!ボク、110番するから!」

『そうヨ、リン!危ないコトしちゃダメだから!』

みんなはかなり熱くなっているようだが、私のココロは至って冷静だった。

ーーーなぁに。お互い30過ぎたサラリーマンやがナ。店の中で謝るのも照れくさいから、外へ出ろって言ってるダケや。

私はみんなに振り返って、ウインクしたあと、ゆっくりと店の外へ出た。


つづく