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シネマ大好き!

今まで観た映画の感想です。

★+

鑑賞No:01825
製作:2009年/アメリカ/87分
監督:ジェームズ・ウォン
出演:ジャスティン・チャットウィン/エミー・ロッサム


今は亡きおじいちゃんの遺志を受け、世界中にちらばっている7つのドラゴンボールを集めるたびに出ることになった孫悟空。それはドラゴンボールをすべて集めると、どんな願いも叶うというドラゴンボールを狙うピッコロ大魔王の世界征服を阻止するためだった・・・・。


「週刊少年ジャンプ」で連載された、鳥山明の大人気コミックの映画化。ただ個人的にはコミックは読んだことがないので、全く予備知識なく観ることができた。よって変な先入観はなく素直に観れたが、本来の原作が持つイメージや世界観が上手く描かれていたのかどうかは不明(なんとなくの感じでは、コミックとは違ったイメージを受けるが・・・・・)。ストーリーはいたって単純。世界征服を企むピッコロ大魔王の野望を阻止すべく、世界に散らばる7つのドラゴンボールを集める話だが、それ以上のストーリーの広がりはない。敵キャラもピッコロ大魔王とその部下の女一人という、迫力も恐怖もない設定。さらにこの二人、意外と弱い。ラストであの有名なカメハメ波は観ることができたが、ラストもあっけなかった。世界征服といいながら、観ていてもあまりにも狭い世界観・・・・。原作を読まずして、原作には遠く及ばないような感じのする映画だった。ラストの意味深な終り方・・・・、ひょっとして続編作る気なのか?

★★★

鑑賞No:01822
製作:2008年/日本/125分
監督:宮藤官九郎
出演:宮崎あおい/佐藤浩市/木村祐一/田口トモロヲ


メイプルレコードの新人発掘部に勤務する、契約切れ目前のかんな。そんなかんなは、ある動画サイトで、これ以上ない野蛮で、凶暴なイケメン・パンクバンド<少年メリケンサック>を発見する。早速、バンドと契約するために乗り込むと、そこにいたのはイケメン青年ではなく、50歳で酔っ払いのおっさんだった・・・・。


人気脚本家・宮藤官九郎の監督第2作。映画自体は、何かうるさいだけの、ドタバタ映画のような感が否めなかったが、個性的な俳優を配した親父4人組みのバンドと、そのバンドに振り回されるかんなを演じていた宮崎あおいは見ものです。特に、撮影と同じ時期にやっていたNHK大河ドラマの「篤姫」とは両極端をなす、あのコミカルな演技は、宮崎あおいの新たな一面を見ることができます。ロードムービー的な展開の前半は、ちょっとしたギャグが満載で結構笑えたが、後半はやや退屈。この手の映画で2時間を超えるのはちょっときつかったかも!?

★★

鑑賞No:01795
製作:2006年/オーストリア、フランス、ドイツ、イギリス/97分
監督:ラウル・ルイス
出演:ジョン・マルコヴィッチ/ヴェロニカ・フェレ


1918年。病床にあった天才画家グスタフ・クリムトは死を迎えようとしていた。彼の頭の中には彼の人生が走馬灯のように去来していた。19世紀末、故郷のウィーンでは酷評されていた彼の絵が、パリでは絶賛される。そしてパリ万博で出会った美しい女性・レアから肖像画の依頼を受けるが・・・・。


絵画に興味のない私にとって、この映画を観るまでクリムトの名すら知らなかったのですが、結構有名な画家のようですね。映画は少々難解で、クリムトを知らないとさらに分かりにくいという、ドツボにはまってしまう映画です。途中何度か眠気に誘われましたが、時々出てくる絵のモデルさんたちのヌードシーンで眠気が覚める・・・といった繰り返しの映画でした。ストーリーは、死の淵にいたクリムトが、夢の中で自分の半生を回想するという内容ですが、クリムトの作品が芸術的にどうだというのは良く分からず、ただモデルに次々と手を出して子供を作っていく勢力旺盛なおじさんとしか印象の残らない内容でした。

★★★

鑑賞No:01789
製作:1983年/日本/111分
監督:根岸吉太郎
出演:薬師丸ひろ子/秋川リサ/岸田今日子/松田優作


大学2年生の新井直美は、1週間後に父親の待つアメリカに留学することになっていた。仲間たちと別れを惜しむ中、憧れの先輩・永井に誘われホテルへ。ところが、そこに直美の叔父と名乗る男が侵入してきて、永井を追い出してしまう。実はその男は私立探偵で、直美の母親代わりの元秘書・長谷沼がつけたボディ・ガードだった・・・・。


まさに赤川次郎の軽いタッチの小説をそのまま映像化したような映画。薬師丸ひろ子の独特の素人っぽい演技がそれをより助長していて、観ていて恥ずかしい反面、なんか包み込まれるような安らぎも感じる。松田優作もどちらかというと大人しい演技で、ハードボイルドな面、コミカルな面、シリアスな面、いずれも強調されないためイマイチ、インパクトに欠ける点は残念だが、やはり松田優作の存在感の大きさは十分感じられる。ストーリー自体は分かりやすく、ミステリー性は少ないものの、薬師丸ひろ子の青春ドラマとしてそれなりに楽しめる作品。

★★★

鑑賞No:01792
製作:2007年/韓国/104分
監督:シン・テラ
出演:ファン・ジョンミン/カン・シニル


生命保険会社の査定員チョン・ジュノは、面識のない顧客パク・チュンベからの指名を受けて訪問した彼の自宅で、チュンベの息子の首吊り死体を発見する。チュンベは息子の保険金の支払いを執拗に要求するが、ジュノはチュンベが保険金殺人を犯したのではないかと疑い、警察に掛け合う。その後、ジュノが再びチュンベの家に向かうと、そこには憔悴したチュンベの妻イファがおり、次の標的は妻ではないかと疑うが・・・・。


本作は貴志祐介の同名小説を、 内野聖陽・大竹しのぶ主演で1999年に製作された同名映画の韓国版リメイク。大筋のストーリーはオリジナルと同じだったため、やや新鮮さには欠けるきらいがあった。オリジナルと比べると、映像的に目を背けたくなるシーンは多いものの、邦画独特のおどろおどろしい、背筋からぞーとするような感覚的な恐怖はオリジナルには及ばない感じがした。そしてオリジナルで何よりも怖かったのは、保険金を請求する男の妻だが、韓国版での妻は残忍ながらもどこか大人しく、内面的な恐ろしさはあまり出ていなかった。というか、オリジナルの大竹しのぶの演技があまりにも強烈で怖かったため、そう感じるのかもしれない。この作品を観たことで、改めてオリジナルの大竹しのぶの怪演の凄さを感じた。

★+

鑑賞No:02497
製作:2013年/日本/76分
監督:古波津陽
出演:瀬戸康史/有村架純/田中壮太郎/平良和義


傲慢、嫉妬、憤怒、怠惰、強欲、大食、色欲の7つの大罪を犯した者たち7人が、閉ざされた空間に監禁され、死の裁判ゲームを課される。それは、制限時間内にお互いの素性を探り、より罪が重いと判断した者に対し、多数決で死罪を言い渡すというゲームだった・・・・。


興味を持たせるような設定のアイディアだけで作ったような映画。よって、現実性(リアル性)はゼロだし、そもそも、ここに至る理由や経緯などの説明は一切ない極めて不親切な内容。思いつきのようなアイディアの設定だけ面白ければいいだろう的な安易さが目立ち、リアル感を出すための説明には触れないというよりは思いつかないのだろう。視聴者をあまりにもバカにした作品と言わざるを得ない。ストーリー展開にも意外性はなく、逆にあまりにも正直すぎて、却ってビックリ。ひねりもないのかよ・・・と。裁かれる唯一の理由はキリスト教の七つの大罪だが、内容とキリスト教は一切関係ないという、呆れた理由づけにもあっけにとられた。

★★★★

鑑賞No:02498
製作:2013年/アメリカ/94分
監督:ブラッド・アンダーソン
出演:ハル・ベリー/アビゲイル・ブレスリン


判断ミスで通報者が殺され、悲嘆に暮れていたベテランオペレーターのジョーダン。そんな折、連続殺人鬼に誘拐された少女ケイシーが、車のトランクから命からがら911に電話をかけてくる。ジョーダンは、これまでの経験と知識、自分の能力の限りを尽くし、電話の声だけを頼りに少女の救出にあたるが・・・・。


車のトランクからかかってきた1本の電話だけを頼りに、誘拐された少女を救出しようとする設定はいやが上にものめり込んでしまい、緊迫感は最高。脱出のための試みは一時的にうまくいくものの、犯人によって次々と阻まれてしまう展開。ドキドキしながらストーリーは進んでいくが、途中、少女を助けようとする見ず知らずの一般市民が次々と犠牲になっていくので、果たして緊急司令室の対応が是なのか疑問も湧いてくる。それでも前半は密室感と緊迫感十分で楽しめたが、後半は行き過ぎのような展開でちょっと興醒め。緊急司令室のオペレータが主役の映画だから致し方ないかも知れないが、ちょっと職務を大幅に逸脱した展開には驚き。最後まで電話のみの対応で解決して欲しかった。

★★★+

鑑賞No:02499
製作:2013年/日本/128分
監督:水田伸生
出演:阿部サダヲ/井上真央/竹野内豊/岡田将生


東京謝罪センターの所長、黒岩はやくざから法外な示談金を要求された典子を巧みな謝罪術で助け、助手として雇う。その後、2人の前にセクハラで窮地に陥った下着メーカー社員の沼田、あるエキストラの起用で外交問題を起こしてしまった映画プロデューサー・和田など一風変わった依頼者たちが次々とあらわれてくる・・・・。


「舞妓Haaaan!!!」「なくもんか」のノリと阿部サダヲのキャラは健在の作品でそれなりに楽しめたが、はしゃぎ過ぎ、ぶっ飛び過ぎのストーリーなので、真面目に観る作品ではない。ストーリーは6つのエピソードで構成されたオムニバス形式だが、登場人物は他のエピソードにも微妙に絡むうまい構成にはなっている。ただ、あまり納得のいく内容ではなく、単発の笑い取りの一発ギャグ的内容で深みはない。また、やたら出てくる「脇毛ボーボー自由の女神」もしつこいだけでちっとも笑えないなど、残念なシーンも多い。無意味なギャグに走るのではなく、もっと現実的な謝罪術を散りばめて欲しかった。

★★★★

鑑賞No:02502
製作:2011年/アメリカ/99分
監督:リチャード・リンクレイター
出演:ジャック・ブラック/シャーリー・マクレーン


テキサス州の田舎町で葬儀屋を営むバーニーは、誰にでも優しく慈愛に満ちた人柄で町民から慕われていた。一方、金持ちの老未亡人マージョリーは偏屈な嫌われ者だったが、心優しいバーニーはひとり暮らしのマージョリーを気遣い、たびたび家を訪問して相手をするようになる。やがて彼は住み込みの専属マネージャーになるが、ある日、バーニーはマージョリーを殺してしまう・・・・。


1996年にテキサスの田舎町で実際に起こった事件を、当事者を知る住民たちの証言を交えて描いた作品。事実がベースだけに、却って謎が残り、後味もちょっと悪い内容になっている。殺人が発覚し裁判になってからも町中の人から味方にされるほど、好人物に描かれているバーニーだが本質はどうだったのか? 町中の人から嫌われているマージョリーに執拗なまでに行為をみせるが、金目的とも勘ぐれる。そしてマージョリーのわがままに耐えかねて衝動的に彼女を殺してしまうが、その後、隠ぺい工作を図り、あたかも彼女が生きているかのような演出を長い期間行っている。結局、彼は終身刑になるが、最後まで彼の本質は分からず仕舞いで、スッキリしない作品だった。

★★★★+

鑑賞No:02501
製作:2013年/日本/128分
監督:白石和彌
出演:山田孝之/ピエール瀧/リリー・フランキー/池脇千鶴


取材のため東京拘置所で死刑囚・須藤と面会した雑誌ジャーナリストの藤井は、須藤が死刑判決を受けた事件のほかに犯した殺人のすべてに関与した「先生」と呼ばれる首謀者がいるという告白を受ける。須藤は「先生」がのうのうと生きていることが許せず、藤井に「先生」の存在を記事にして世に暴くよう依頼するが・・・・。


2005年に、ある死刑囚が告発した3件の殺人事件を描いた実話を基にした映画。日本の実話ものの傑作「復讐するは我にあり」に匹敵するほどの恐るべき内容で身震いしながらも最後まで目が離せなかった。狂気に満ちた殺人犯・須藤純次と、事件を裏で操る「先生」と呼ばれる冷徹な男・木村孝雄。2人とも情に厚かったり身内に親身だったりする側面を見せながらも、気に入らない相手や保険金殺人のターゲットには容赦しない冷酷さを見せる二面性を持っており、実に怖い。この怖い男2人をピエール瀧とリリー・フランキーが見事なまでに好演している。死刑囚・須藤の告発を受けた雑誌ジャーナリスト・藤井が事件の真相を徐々に暴いていくストーリーだが、構成も非常によく、最後まで緊張感とハラハラ感が持続できる。