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シネマ大好き!

今まで観た映画の感想です。

★★★

鑑賞No:01473
製作:2006年/アメリカ/105分
監督:ブレッド・ラトナー
出演:ヒュー・ジャックマン/ハル・ベリー/ファムケ・ヤンセン


物語は前作でメンバーを洪水から救って死んだジーンが子供だった頃の過去に遡り、そこにプロフェッサーXとマグニートーが訪れるところから始まる。そして10年後。大会社の社長ウォーレンの息子は自分の背中に翼が生え始め、自分で翼を切り落とそうとして父親に見られてしまう。息子がミュータントと確信した父親は、ミュータントの能力を消して普通の人間にしてしまう新薬“キュア”の開発を行うことに・・・。


「X-MEN」シリーズの第3作にして最終章(?)。私的には2作目がとても面白く、最終章である本作に対する期待は大きく膨らんでいたが、期待が大きかった分、少々失望した。シリーズ通しての盛り上がりと盛り下がり、監督交代など「ターミネーター」シリーズに通じるところがあった。(「ターミネーター3」ほどの失望感はなかったが・・・)シリーズ通してのテーマである「人間とミュータントの共存」に対し、新たな一石を投じた“キュア”なる新薬の登場は非常によかったが、結局は人類とミュータントとの戦争シーンに重きが置かれ、そのための動機付けにしかなっていなかった。(もう少し、“キュア”選択に対するミュータントの気持ちを描いて欲しかった)なお公開時は“最終章”との謳い文句だったが、ラストを見ると続編がありそうな意味深な終わり方をしている。

★★+

鑑賞No:01353
製作:2005年/日本/114分
監督:豊田利晃
主演:小泉今日子/板尾創路/鈴木杏/広田雅裕


家族に秘密を持たないというルールのある京橋家。それにより幸せな家庭が築けていると信じる妻の絵里子だが、夫や2人の子供には家族に言えない秘密があった。秘密が露呈することで、見せかけの幸福な家庭が崩壊していくが・・・。


角田光代の同名小説の映画化。あたふたとする夫を演じる板尾創路がむしろ最も自然で、どうも不自然さが目立つ家族の印象を持った。原作は読んでいなかったので、それぞれの秘密が露呈されることによって、どのような展開になっていくのか期待しながら観ていたが、ラストもどうも納得のいかない結末で消化不良感の残る作品だった。

★★★★

鑑賞No:01293
製作:2005年/ニュージーランド、アメリカ/188分
監督:ピーター・ジャクソン
主演:ナオミ・ワッツ/エイドリアン・ブロディ


冒険映画を撮影するために幻の孤島“スカルアイランド”にやってきた失敗作続きの映画監督カール・デナムと脚本家のジャック、そして女優のアン・ダロウは、島民の襲撃を受けた揚句、ついにはアンを奪われる。彼女を取り戻すべく島の奥地へ入り込んだカール達が見たものは、絶滅したはずの恐竜達と、島民が髑髏島の王者として崇める巨大なゴリラだった・・・・。


1933年製作の同名映画のリメイク。「キング・コング」といわれると新鮮味がなかったが、VFX技術を駆使した映像はこれまでの「キング・コング」の印象を一掃した。全体は大きく分けて三部構成となっており、それぞれ「タイタニック」「ジュラシック・パーク」「ハリウッド版ゴジラ」を彷彿させる内容である。188分という長尺だが、飽きずに楽しめる娯楽大作である。ナオミ・ワッツが演じたアン・ダロウ役を1933年版で演じたフェイ・レイがカメオ出演する予定だったが、2004年に亡くなったため実現しなかった。

★★★+

鑑賞No:02508
製作:2013年/日本/99分
監督:飯塚健
出演:満島真之介/佐々木希/松坂桃李/藤間宇宙


何事もすぐにあきらめてしまう29歳童貞・遼太郎は、自分を変えるため風俗に行くが、そこで出会った訳あり風俗嬢のかよに一目ぼれしてしまう。遼太郎は、なぜ彼女が風俗嬢をしているのか疑問を抱き、ネット仲間の晋作らの知恵を借り、かよの人生を救うため奇想天外な作戦を練るが・・・・。


設定は違うが、どこかで観たような映画だと思ったら、そうそう山田孝之主演の「電車男」に似ている。令嬢で有能なOLと風俗嬢という決定的な違いはあるものの、どちらも美人で普通なら相手にされない女性が恋の対象であること、そして主人公はニート(電車男ではオタク)、2人の恋の成り行きを応援するネット仲間という、基本的な設定は同じ。そしてこの恋を通して主人公は男として成長していくというお決まりのパターン。ただ、「電車男」同様、結構楽しめるストーリーになっている。そして何よりもいいのがヒロイン。「電車男」のエルメスもそうであったが、男を騙したり裏切ったりせず、最後まで純粋に誠実に主人公に接する態度は観ていてとても気分いい映画。

★★★+

鑑賞No:02509
製作:2013年/日本/129分
監督:タナダユキ
出演:永作博美/石橋蓮司/岡田将生/二階堂ふみ


妻の乙美を亡くして生きる気力を失っていた良平のもとに、夫の不倫で結婚生活が破たんし、離婚を決意した娘の百合子が戻ってくる。さらに2人の前に、乙美から頼まれていた四十九日までの家事を引き受けにやってきたという少女イモが現れ、乙美が残したというレシピの存在を伝えるが・・・・。


妻の死に意気消沈する父親と、夫の不倫問題で離婚騒ぎの娘という、何とも暗いスタートで、勝手にだがイメージしていた雰囲気と違っていたので最初は少々とまどった。だが、二階堂ふみ演じるイモが現れて雰囲気は一変する。これは映画だけでなく、この家の家族の雰囲気も一変させ、悩める家族を救うことになる。そういう意味では、二階堂ふみが影の主役ともいえる存在感を見せ、主役の永作博美を食った感は否めない。一方、嫌味なおばさん役の淡路恵子の存在感もさすがだ。せっかくの乙美のレシピに叶った四十九日を行おうとする家族に対し、正論で辛辣な批判をする嫌味さをみせるが、最後は粋な心意気を見せてくれる。一番嫌味なのは夫の浮気相手ではあったが、立場を変えて見ると彼女の気持ちも分からないではない。一番最低で悪いのは優柔不断でうまく立ち回ろうと嘘を重ねてきた夫だったようだ。それゆえ、あの結末は少々、納得がいかない。

★★+

鑑賞No:02506
製作:2013年/アメリカ/121分
監督:カール・リンシュ
出演:キアヌ・リーブス/真田広之/柴咲コウ/浅野忠信


赤穂の国のサムライ・大石とその部下たちは、吉良と謎の女ミヅキの陰謀により、尊敬する主君・浅野内匠頭の命とサムライとしての身分を奪われる。幼き頃、浅野に拾われた素性不明のはぐれ者のカイは、主君の仇打ちと吉良に狙われる姫のミカを守ろうと立ちあがった大石に力を貸すが・・・・。


言わずと知れた「忠臣蔵」をモチーフにした作品。しかし、無理があったようだ。ハリウッドでのウケを狙ったのであろうと思われるが、日本独特の時代劇の良さはことごとく封印され、かといって、SFともファンタジーとも言えない作風、いつなのか、どこなのか分からない時代設定、背景。「忠臣蔵」ファンの日本人にもソッポを向かれ、かつハリウッドにもウケない理由はそこかしこに見受けられる作品となっている。また、人物設定にも違和感が残った。浅野内匠頭(35)は年配の田中泯(69)が演じ、吉良上野介(60)は浅野忠信(40)が演じているが、年齢的にも名前的?にも逆ではないか。また上様は将軍というよりは中国の皇帝のような風貌・出で立ち。その上、四十七士の中にキアヌ・リーブスがいるのだから、もうハチャメチャ。そうであれば、「忠臣蔵」はモチーフにして良いが、登場人物や設定は忠臣蔵とは関係ないものにすべきではなかっただろうか? 酷い改変にもかかわらず、最後は忠臣蔵頼りというせこさにも呆れる作品。

★★★★

鑑賞No:01321
製作:2006年/アメリカ/141分
監督:クリント・イーストウッド
出演:渡辺謙/二宮和也/伊原剛志/加瀬亮


戦況が悪化の一途をたどる1944年6月、アメリカ留学の経験を持ち、西洋の軍事力も知り尽くしている陸軍中将の栗林忠道が、本土防衛の最後の砦ともいうべき硫黄島にやってくる。栗林は、長年の場当たり的な作戦を変更し、西郷ら部下に対する理不尽な体罰も戒めるなど、作戦の近代化に着手する・・・・。


これは太平洋戦争で激戦地となった硫黄島を舞台に、日米双方の視点から描く「硫黄島プロジェクト」の日本側視点の作品。まず評価されるのは監督のクリント・イーストウッド。「これ、本当にハリウッド映画なのね?」と思われるほど、日米関係なく真実を描き出そうとしている姿勢がすごい!アメリカ人が日本人をこのように描く映画がかつてあっただろうか?これだけでも画期的といえる。渡辺謙の重厚な演技もよく、前線にいてこの戦争を冷静に見つめ生き続けようとする日本人を演じる二宮和也もいい。この戦争で死んでいった人たちが家族や友人などに当てた心の叫びを綴った手紙が朽ちることなく日の目をみるラストシーンにはジーンときた。

★★★

鑑賞No:01320
製作:2006年/アメリカ/154分
監督:ブライアン・シンガー
出演:ブランドン・ラウス/ケイト・ボスワース


クリプトン星の3悪人を倒し、忽然と姿を消したスーパーマンが再び地球に戻ってきた。故郷の惑星、クリプトン星が放射能に汚染された廃墟になっていると知ったからだ。だが、宿敵レックス・ルーサーは刑務所から出所し、かつての恋人ロイス・レインは他の男と暮らしていた・・・・。


旧「スーパーマン」シリーズの1作、2作の続編として作られた。今は亡き旧シリーズの主演クリスファー・リーブが築いたスーパーマンのイメージをラウスは損なうことなく演じている。スーパーマンのあまりにも人間離れしたすごさに、たとえ映画とはいえ、思わず苦笑してしまう。レックス・ルーサを演じるケビン・スペイシーの演技も悪者でありながらコミカルさも交えており、世界征服を狙いながら暗さを感じない。かたぐるしくなく気楽に観れる作品。

★+

鑑賞No:01828
製作:2008年/日本/110分
監督:井上晃一
出演:山田優/山崎静代/中別府葵/浅野ゆう子


誰もが振り向く超美人のカンナは、実はブスでいじめられてばかりの人生をやり直すため、貯金をはたいて手術を受けた全身整形美人だった。ブスだったころから憧れていた男性の勤めるアパレル会社に就職した彼女は、恋も仕事も順調で、ついには新ブランドのプロデューサーに抜擢される。しかし、その成功を妬む同僚がカンナの過去を知って・・・・。


鈴木由美子の人気漫画の映画化。原作に忠実という点では日本版の方が忠実らしいが(原作は読んだことがないので真偽はわかりませんが・・・)、単純に映画として観た場合、韓国版の方に軍配を上げてしまう出来。ともかく、日本版は単なるおバカ映画にしか見えなかった。あまり好きではない山田優のオーバーアクションも鼻につくし、そもそも設定の“誰もが振り向く超美人”には(個人的には)見えない。(最初ライバルだった中別府葵の方が可愛い)また大きな設定であるブスから超美人への変身だが、ブスの部分が人形を使ったアニメなのでリアリティもなく感情移入もできない。もう一人のブス役・山崎静代も女優として評価されているらしいが、本当に上手?地でやってるだけで演技といえないのでは?原作が面白いと聞くだけに、昨今のTVドラマの即映画化風潮に乗って安易に作ったとしか思えない作品。

★★+

鑑賞No:01812
製作:2006年/アメリカ/96分
監督:ゲイリー・レイン
出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ/アンガス・マクファーデン


ニューヨークの吹き溜まり“ヘルズキッチン”で生まれ育ったキャットとその愛人アルは、拳銃や盗品を売りさばきながら、その日暮らしをしていた。キャットはさらに新たな顧客を開拓しようと、アルに内緒で取り引きを行うが、それがアルにばれて手酷くいたぶられる。心配したキャットは彼女を助けようとするが、キャットはそれを拒んで・・・・。


DVがテーマのような前半のストーリー展開でしたが、主人公はただ単に男の暴力に屈しる女ではなかった! 後半は完全に復讐劇で、単に暴力男に対しての復讐だけでなく、復讐のためには利用できるものは何でも利用するという冷酷な一面も見せている。復讐方法自体は別に驚くようなものではなく、共犯者もすぐ分かるような内容なので、サスペンス・ミステリー性は乏しい。DV男はひどい男ではあるが、キャットに対する愛情は異常ながらも本当で、最後はちょっと哀れである。復讐劇なので本当はラストでスッキリしたいところだが、主人公の豹変ぶりにどこかスッキリしないところが残念。