四十九日のレシピ | シネマ大好き!

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今まで観た映画の感想です。

★★★+

鑑賞No:02509
製作:2013年/日本/129分
監督:タナダユキ
出演:永作博美/石橋蓮司/岡田将生/二階堂ふみ


妻の乙美を亡くして生きる気力を失っていた良平のもとに、夫の不倫で結婚生活が破たんし、離婚を決意した娘の百合子が戻ってくる。さらに2人の前に、乙美から頼まれていた四十九日までの家事を引き受けにやってきたという少女イモが現れ、乙美が残したというレシピの存在を伝えるが・・・・。


妻の死に意気消沈する父親と、夫の不倫問題で離婚騒ぎの娘という、何とも暗いスタートで、勝手にだがイメージしていた雰囲気と違っていたので最初は少々とまどった。だが、二階堂ふみ演じるイモが現れて雰囲気は一変する。これは映画だけでなく、この家の家族の雰囲気も一変させ、悩める家族を救うことになる。そういう意味では、二階堂ふみが影の主役ともいえる存在感を見せ、主役の永作博美を食った感は否めない。一方、嫌味なおばさん役の淡路恵子の存在感もさすがだ。せっかくの乙美のレシピに叶った四十九日を行おうとする家族に対し、正論で辛辣な批判をする嫌味さをみせるが、最後は粋な心意気を見せてくれる。一番嫌味なのは夫の浮気相手ではあったが、立場を変えて見ると彼女の気持ちも分からないではない。一番最低で悪いのは優柔不断でうまく立ち回ろうと嘘を重ねてきた夫だったようだ。それゆえ、あの結末は少々、納得がいかない。