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シネマ大好き!

今まで観た映画の感想です。

★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:02434
製作:2013年/アメリカ/92分
監督:ウォルター・ヒル
出演:シルベスター・スタローン/サン・カン


元海兵隊員で殺し屋のジミーは、依頼を受けて標的を始末した直後、唯一心を許していた相棒を殺されたことから復讐を誓い、自分とは正反対の正義を信じる堅物刑事テイラーとコンビを組むことになる。しかし、そんな2人の前に警察やマフィアが立ちはだかり・・・・。


「エクスペンダブルズ」の時よりも精悍に感じられるスタローンのアクション映画。ストーリーは単純でわかりやすいが、スタローン演じる殺し屋と刑事が組んで、相棒の復讐を兼ねた一連の事件を追うという、ありえない設定には苦笑いする。刑事役の多いスタローンだが、今回は殺し屋という役どころのため、これまで以上に殺しに関しては躊躇・容赦がない。敵の殺し屋キーガンとのタイマン勝負も見もの。

★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:02431
製作:2013年/アメリカ、イギリス/101分
監督:ダニー・ボイル
出演:ジェームズ・マカボイ/ロザリオ・ドーソン


競売人のサイモンは、ギャングと結託してオークション会場からゴヤの名画「魔女たちの飛翔」を盗み出すが、計画とは違う行動をとったためギャングのリーダーに殴られ、その衝撃で記憶が消えてしまう。ギャングのリーダーは催眠療法(トランス)を使い、サイモンが隠した絵画の場所を探ろうとするが・・・・。


観ていて途中から現実と虚構が入り交じり、分かりにくい展開になるものの、前半は興味深い展開に思わず引き込まれる。ただ、途中から分かりにくくなる上、中盤以降は中だるみもあって少し退屈な展開になるのが残念。当初は隠された絵画の在りか探しが中心の映画化と思わせるが、実は催眠療法の恐ろしさを描いた映画のよう。ロザリオ・ドーソンの存在感と大胆な演技は印象的なれど、好みの女優さんではないのがややマイナス。

★★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:02428
製作:2012年/日本/105分
監督:君塚良一
出演:西田敏行/緒形直人/筒井道隆/柳葉敏郎


2011年3月11日、日本観測史上最大の地震により発生した津波が岩手県釜石市を襲った。一夜明けても混乱状態が続く中、廃校となった旧釜石第二中学校の体育館が遺体安置所となり、次々と遺体が運ばれてきた。そんな中、地区の民生委員として働く相葉常夫が遺体安置所を訪れ、安置所の様子に驚愕した相葉は安置所の世話役を申し出る・・・・。


TV等の映像では流れることのない、遺体安置所の様子にスポットを当てた、東日本大震災のもう一つの真実、側面を描いた作品。無情にも次々と運ばれてくる遺体により、この悲劇を現実のものとして受け入れざるを得ない遺族の人々の辛さ、悲しみは想像を絶する。そうした遺族の心を少しでも安らげようと、西田敏行はじめ役所や医師たちの心遣いや対応に心打たれる。震災で我が子を失った母親が子供の遺体からなかなか離れられない姿には涙を誘う。


★★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:02433
製作:2013年/日本/123分
監督:堤幸彦
出演:貫地谷しほり/竹中直人/宅間孝行/田畑智子


知的障害をもつマコは、元人気漫画家の父親いっぽんに連れられ、知的障害者の自立支援グループホーム「ひまわり荘」にやってくる。無邪気で陽気な住人たちに囲まれ、のびのびと日々を送るマコは、そこで出会った男性うーやんにも心を開いていく。ようやく見つけた理想の場所で娘が幸せになれば、いっぽんも漫画家として復帰できるかと思われたが・・・・。


シリアスな設定、ストーリーだが、知的障害者たちの飄々とした言動や、それを取り巻く施設の人たちの優しい対応にほのぼの感もあるドラマ。だが、やはり知的障害者に対する世間の偏見や厳しい現実も随所に描かれており、やりきれない思いにさせられる。そして、最愛の娘の将来を思い、悩み苦しんだ末、選んだ究極の選択には残念でならないと同時に、誰も責められない現実に無力感だけが残った。芸術作品としての映画の出来はイマイチなところもあるが、知的障害者に対する現状には一石を投じた作品である。

★★
シネマ大好き!
鑑賞No:02432
製作:2011年/アメリカ/82分
監督:デビッド・ゲルブ

出演:小野二郎/小野禎一/小野隆士/山本益博


大正14年(1925年)生まれで現在も現役の小野二郎さんが店主を務める「すきやばし次郎」は、「ミシュランガイド東京」で5年連続の三ツ星を獲得した名店。その小野二郎に魅了された米国人監督が、彼の職人としての姿勢、プライドや情熱、そしてそれを受け継ごうとする2人の息子や弟子たちとの師弟関係を映し出していく・・・。


まずは一言。一度でいいから食べてみたい。早い人だと15分くらいのコースだそうだが、それで3万円とは流石に高い!と言わざるを得ないが、それでも一度は食べてみたいと感じてしまう、職人としてのプロ意識を感じた。映画自体はドキュメンタリー形式で、出演者もいわゆる俳優ではないので、通常の評価は難しいが、ついつい最後まで観てしまう作品。

★★
シネマ大好き!
鑑賞No:02430
製作:2013年/アメリカ/125分
監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ヒュー・ジャックマン/福島リラ/ウィル・ユン・リー


カナダで隠遁生活を送っていたウルヴァリンことローガンは、以前命を救ったことのある日本人の大物実業家・矢志田に請われて日本を訪れる。しかし、重病を患っていた矢志田はほどなくして死去。矢志田の葬儀が執り行われるが、そこをギャングたちが襲撃。ローガンは矢志田の孫娘・マリコを連れ、その混乱から逃げ出すが・・・・。


日本を舞台にしての「X-MEN」シリーズのスピンオフ2作目だが、この作品のイメージからして日本は合わなかったようだ。また日本を強調したいがためか、いつの時代?と首をかしげたくなる描写も多い。未だに、サムライ、忍者、日本刀が日本を表現する常套手段のように描かれるのはちょっと不快。いくらか見ごたえのあるアクションシーンもあるが、新幹線上での格闘はやりすぎ。あまりにもリアリティがなさすぎで笑ってしまった。また、このシリーズの見ものであるミュータントだが、ヘビ女だけというのはさびしい。さらにこのヘビ女、意外と弱く、ウルヴァリンと戦う前にやられてしまう。日本が舞台ということで、ストーリーの中心的な役どころに2人の日本人女優が抜擢されているが、ところでこの2人誰? もうちょっと有名な女優を使ってもよかったのでは!?

★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:02429
製作:2012年/アメリカ/142分
監督:バズ・ラーマン
出演:レオナルド・ディカプリオ/トビー・マグワイア


1920年代の米ニューヨーク、ロングアイランド。宮殿のような豪邸に暮らし、素性も仕事も謎めいた大富豪のジェイ・ギャツビーは、毎夜のように豪華絢爛なパーティを開いていた。そんなある日、ギャツビーは、隣人の青年ニックをパーティーに招待する。その後、彼は自らの生い立ちを語り始めるが、あまりにできすぎた物語に、ニックはギャツビーが何か隠し事をしていると直感するが・・・・。


1974年製作のロバート・レッドフォード版のリメイク。内容は1974年版とほぼ同じだが、映像の美しさとスケールの大きさは1974年版を大きく上回る出来。あまりに映像が綺麗すぎて、却ってリアリティ感が感じにくいほど。ディカプリオのギャツビー役もイイ。レッドフォードに比べ、成り上がり感も良く、常日頃は上流階級者としての立ち振る舞いが身についている感があるが、感情的な状況になった時にむき出しになる本性とのギャップが印象的。デイジーに対する一途な想いに反して終盤の展開には胸が痛む作品。

★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:01856
製作:2008年/アメリカ、ドイツ、イギリス/117分
監督:トム・ティクヴァ
出演:クライヴ・オーウェン/ナオミ・ワッツ


インターポール捜査官のサリンジャーは、ニューヨーク検事局のエレノアと共に、欧州の巨大銀行IBBC銀行の犯罪組織とのつながりや武器密輸の捜査を続けていた。そんな中、内部告発しようとした男と接触するために待機していたベルリン中央駅の駐車場で、彼とコンビを組んでいた検事局員が殺され、告発者も事故死に見せかけて殺されてしまう・・・・。


ちょっと堅苦しさの漂う雰囲気の映画で人によってはとっつき難いかも。映画自体はあまり目新しさはなく、正義感燃える捜査官が巨大組織を相手に挑んでいくが、強大な組織力の前に次々ともみ消されていく様が描かれている。見せ場はラストの銃撃戦だが、迫力はあるものの、リアル感はイマイチ。ただスリリングさはあったので良しとすべきか。銃撃戦以外は印象に残りにくい映画。

★★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:01857
製作:2009年/日本/119分
監督:森淳一
出演:加瀬亮/岡田将生/小日向文世/鈴木京香


7年前に交通事故で母を亡くした泉水と春の兄弟。彼らの住む仙台では最近、放火事件が続発していた。そんな中、遺伝子の研究をしている大学生の泉水は、街の落書き消しをしている春から、一連の放火事件の現場がいつも自分が消しているグラフィティアートの近くであることを聞かされる。泉水は春とともに放火犯捜しをすることに・・・・。


加瀬亮、小日向文世の出演で、まったり系の映画かと思いきや、結構重い内容の映画。しかしながら、この二人の持ち前の雰囲気で、その重苦しさをかなり和らげてはいる。登場人物が少ないため、途中で真相は容易に読めてはくるが、観ていて、その予感が外れていて欲しいという気持ちにさせられる。小日向文世演じる父親が「俺の家族は最強だ」といったセリフがあるが、家族の大切さ、家族愛の大切さ、そして家族とは何なのかを問いかける映画。

★★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:01844
製作:2003年/日本/116分
監督:犬童一心
出演:妻夫木聡/池脇千鶴/新屋英子/上野樹里


大学生の恒夫は深夜に麻雀屋でアルバイトしていたが、そこで謎の老婆が曳く乳母車の話を聞く。しばらくして恒夫はその乳母車が坂道を暴走してくるのを見かける。近づいてみると、その乳母車には少女が乗っており、近づいた恒夫に握っていた包丁を振り回してきた。彼女は歩けなかったため、祖母から「こわれもの」として世間から隠されていたのだった・・・・。


口が悪く、小憎らしい女性ながら、どこか憎めず、同情してしまうジョゼ。足が不自由なことで世間から隔絶されて生きているため、どうしても人と接することが苦手になってしまっているジョゼが、恒夫との出会いを機に心を開き、本当の姿や心情を見せてくるシーンにとても可愛らしさ、いじらしさを感じられずにはいられませんでした。それ故、ラストはあまりにも切なく、現実というものをまざまざと見せつけられる映画で、考えさせられます。