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シネマ大好き!

今まで観た映画の感想です。

★★★★

鑑賞No:01814
製作:1989年/日本/112分
監督:宮崎駿
声の出演:高山みなみ/佐久間レイ/山口勝平


魔女の娘は13歳になると修行のために独立するという掟があり、13歳になったキキもいよいよ旅立ちの日を迎えようとしていた。そして黒猫ジジと共に旅に出、港町コリコに着くが、誰にも相手にされず落ち込んでしまう。そんな時、たまたまお客の忘れ物を届けたことから、パン屋の女主人おソノに気に入られ、店の空き部屋に居候させてもらうことになる・・・・。


13歳というと日本では中学生。決して大人ではないが、小学生のような子供子供でもなく、大人への階段を上る最初の入口のような時期で徐々ではあるが自立し始める年頃。キキもそんな13歳で、魔女という自分の立場というか能力を活かして社会に役立とうとしている姿はとても感心させられ、我が子に是非観せたい映画だと思った。それにしても箒にまたがって空を飛ぶ魔女が選んだ仕事が宅急便とは、まさにこれといわんばかりのベストマッチ。作者の発想のよさというかセンスのよさが感じられる。ちなみに「宅急便」はヤマト運輸の登録商標。通常なら一般名称である「宅配便」となるところだが、それを知らずに製作したとか。この件でヤマト運輸はこの映画の筆頭スポンサーになり、映画のヒットとともにヤマト運輸も知名度と業績を上げたようだ。

★★★+

鑑賞No:00711
製作:1997年/アメリカ/144分
監督:テイラー・ハックフォード
出演:キアヌ・リーヴス/アル・パチーノ/シャーリーズ・セロン


法廷での無敗記録を伸ばし続けていた若手弁護士ケヴィンはニューヨークのミルトン法律事務所の社長ジョン・ミルトンに見込まれスカウトされる。役員待遇で迎え入れられたケヴィンは妻のメアリー・アンと共にニューヨークで豪奢な生活をスタートさせるが、仕事に忙殺され、家庭を顧みなくなってしまう。一方、妻のメアリー・アンは慣れない都会生活で精神に異常をきたし始め、やがてケヴィンもおかしな幻影を見るようになる・・・・。


キアヌ・リーヴス、アル・パチーノ、シャーリーズ・セロンという豪華なキャストだが、今ひとつストーリーが分かりづらい嫌いがありました。観ていても現実なのか幻なのか最後まではっきりしないもやもや感が残る作品でした。それでもこのキャスト。アル・パチーノの重厚な演技はいまさらながら流石です。そして共演のキアヌ・リーブスも頑張っていましたが、個人的に評価したいのはシャーリーズ・セロン。この作品はシャリーズ・セロンにまともに出会った最初の作品ですが、ともかくまぶしいばかりの美しさ。そして大胆な脱ぎっぷり。ストーリーはあまり記憶にありませんが、映像のみ鮮明に記憶に残っている作品です。キアヌにしてみれば憧れのアル・パチーノとの共演、そしてシャーリーズ・セロンとの濡れ場。当たり役の「スピード」の続編出演を蹴ってこちらに出演したのも分かる気がします。

★★★

鑑賞No:02455
製作:2012年/韓国/121分
監督:キム・ジフン
出演:ソル・ギョング/ソン・イェジン/キム・サンギョン


1700世帯5700人が居住するマンションや展望レストランなどの商業施設が併設された地上108階建ての超高層複合ビル「タワースカイ」にヘリが激突して火災が発生。凄腕の消防士ヨンギ隊長率いる消防隊が救助に向かうが、ビルは崩壊に向かっていた・・・・。


内容的には、悪く言えばパクリともいえる、韓国版「タワーリング・インフェルノ」。さらに、舞台や設定は9・11テロを思い起こさせ、ちょっと複雑な気持ちにさせられる。ただ、ラストは必ずしもハッピー・エンドではなく、こちらは「アルマゲドン」のパクリか? アクションシーンも、あまりにも現実離れしたシーンが多く、興醒めするところもあるが、VFXだけに頼らず、90%は実写の火災シーンや放水シーンだったという話なのでその点は評価できる。コミカルすぎる演技や演技下手により緊張感がやや足らないのが残念な作品。

★★+

鑑賞No:02453
製作:2013年/アメリカ/99分
監督:パク・チャヌク
出演:ミア・ワシコウスカ/ニコール・キッドマン


外部と隔絶された大きな屋敷に暮らす繊細な少女インディアは、18歳の誕生日に良き理解者だった父親を事故で失う。そして父の葬儀に、行方不明になっていた叔父チャーリーが突然現れ、一緒に屋敷で暮らすことになる。そのことをきっかけにインディアの周囲で不可解な現象が起こりはじめる・・・・。


不気味な存在の叔父チャーリーの登場で一気にミステリー感は盛り上がるが、謎の解明はあまり描かれず、心理的描写に重きを置いているのか、いかようにも解釈できるので、理解に苦しむところはあった。ただ、怖いのは叔父ではなく、隠れた本性を静かに無意識に表してくるインディアだったことがこの映画のすべてで、それ以上でもそれ以下でもない作品。ニコール・キッドマンは相変わらず妖艶な美しさを見せてはいるが、やや年を取ったか!?

★★★★+

鑑賞No:02454
製作:2013年/アメリカ/134分
監督:ポール・グリーングラス
出演:トム・ハンクス/キャサリン・キーナー


2009年4月、援助物資として5000トン以上の食糧を積み、ケニアに向かって航行していたコンテナ船マースク・アラバマ号は、ソマリア海域で海賊に襲われ、瞬く間に占拠されてしまう。ベテラン船長リチャード・フィリップスは、20人の乗組員を解放することと引き換えに自ら拘束され、たった1人でソマリア人の海賊と命がけの駆け引きを始めるが・・・・。


2009年にソマリア海域で実際に起こった海賊船による貨物船人質事件を映画化した作品。海賊船に襲われた場合の訓練をしている最中に実際に海賊に追跡されるという展開だが、ここから一気に緊張感は高まり、それはラストまで継続する。海賊船の追跡は一旦かわすが、再び現れた海賊たちに瞬く間に船を占拠されてしまう。ただ、海賊たちによる一方的な展開かと思いきや、海賊のボスを乗組員たちが拘束するなど一時的にせよ、立場が逆転する展開は面白い。しかし、一人で拘束されてからはやることが裏目裏目に出て、だんだん追い詰められていくフィリップス船長をトム・ハンクスが熱演している。

★★★

鑑賞No:00172
製作:1958年/アメリカ/94分
監督:カート・ニューマン
出演:ヴィンセント・プライス/アル・ヘディソン


物理学者のアンドレは、物体を瞬時に別の場所に移動させる物質転送機を発明する。そして自分自身で人体実験を行い、成功したかにみえる。しかし、機械の中に一匹のハエが紛れ込んでいたため、転送中に両者が混じりあい、アンドレは頭がハエで身体が人間のハエ男になってしまう・・・・。


ジョルジュ・ランジュランの小説「蝿」の映画化。1986年にデヴィッド・クローネンバーグ監督によって製作された「ザ・フライ」はこの映画のリメイク。「ザ・フライ」を観てこの映画の存在を知り、オリジナル鑑賞となった作品。今から50年前の作品ということもあり、「ザ・フライ」に比べ特殊メイクに稚拙さはあるものの、どちらの作品にも通じる悲しく切ない恋愛感情は共通しており、単なるSFホラー映画とはいえない。また技術的制約によりあまりリアルでないハエ男の頭を敢えて映さず、観客の想像力で恐怖を増長させる演出は秀逸。

★★★

鑑賞No:01705
製作:2008年/日本/12分
監督:加藤久仁生


少しずつ水没していく町に住み、レンガを積み重ねながら家を建て増しして暮らしてきた一人の老人。そんな彼が、水の中に落としたお気に入りのキセルを拾うため水の中に潜ります。そして一つ一つ階を下りていくに従って過去を遡り、昔を思い出していき・・・・。


言わずと知れた第81回アカデミー賞短編アニメ賞を受賞した作品。「言わずと知れた」と書いたが、アカデミー賞を取るまでは存在すら知らなかった作品。しかし日本人監督がオスカーを取ったとなると見ないわけにはいかない・・・ということで急遽鑑賞しました。映画自体はまさに短編で12分足らず。しかしその短い映像の中に、味わい深さと深いメッセージが込められている。この老人の回想シーンはあまり若い人には分からないかもしれないが、親となり、子供が成長し、そして老いていってしまった人ほどジーンと来るのではないでしょうか?私も回想シーンとともに子供の幼い頃や自分の幼い頃が二重写しになり、思わず昔の思い出に浸ってしまいました。また、町が水没していくシーンは地球温暖化への警鐘であり、積み上げていく建て増しの家が次第に先細りしているのは人類の未来を象徴しているようで、強いメッセージ性も感じられる作品でした。

★★★+

鑑賞No:00579
製作:1991年/アメリカ/127分
監督:マーティン・スコセッシ
出演:ロバート・デ・ニーロ/ニック・ノルティ


レイプ罪で14年の刑期を終え出所したマックスは、自分の弁護ができなかった弁護士のサムに復讐の念を燃やしていた。マックスはサム一家の住む場所を探し出し、嫌がらせ行為を始める。マックスのストーカー的行動に恐怖を抱いたサム一家は秘かに町を抜け出し、ハウスボートのあるケープ・フィアーに向うが・・・・。


1962年公開の「恐怖の岬」のリメイク。ストーカーの恐怖を描いた作品だが、特筆すべきはやはり偏執狂的な男を演じているロバート・デ・ニーロだろう。そもそも役作りには定評のある彼だが、見事に復讐心に燃える男を好演し、弁護士一家だけではなく、観る者を恐怖のどん底に落とし込んでいくところはさすが。その恐怖は身体に刻み込んだ刺青からだけではなく、14年という長い牢獄生活で蓄積された怒りが一気に爆発するのではなく、ジワジワと襲ってくるところにあります。不気味な怖さを体感できる作品です。

★★★

鑑賞No:00995
製作:1998年/アメリカ/111分
監督:ジョセフ・ルーベン
出演:ヴィンス・ヴォーン/アン・ヘッシュ


アメリカ人男性3人がマレーシアに休暇旅行に行き、そこで女と大麻の楽しいひとときを過ごす。そして3人のうちルイスはそのまま現地に残るが、2人は帰国する。2年後、ルイスが、3人が買った大麻が原因で逮捕され、このままでは麻薬の売人として死刑を宣告されるという。一緒にいた2人が戻れば刑は減刑されるが、その場合2人は3年の刑に処せられることに。期限は8日間。迷った末に2人が選んだ道は・・・・。


罪は3人平等にあるが、犯罪を犯してから2年経ち、幸せな日々を送っている中、友人のために刑に服せることができるか?良心と友情、そしてその人の本質を問われる作品である。こんな時、自分ならどうするか? 友人を見捨てて今の生活を守るか? 今の生活を犠牲にしてまでも友人を救うため牢獄に入るか? 映画を観ながら常にこの究極の選択を迫られる感じがする。犯罪を犯してから2年後というのも微妙な時間である。当時の罪の意識もなく、友人との交流も疎遠となり、新しい生活が確立している矢先である。映画としての結論は出るが、後味の悪い作品でもある。

★★★+

鑑賞No:02451
製作:2013年/日本/115分
監督:猪崎宣昭
出演:上川隆也/片瀬那奈/伊武雅刀/武田真治


ある日、売れない小説家・赤羽一兵のもとに、殺人犯の死刑囚・呉井大悟から告白本を書いてほしいとの依頼が舞い込む。呉井は、自身を信奉する3人の女性と呉井を主人公とした官能小説として仕上げるように要求し、赤羽は仕方なく女性たちを取材してまわるが、その先々で、かつて呉井が犯した殺人と同一の手口で女性たちが殺されて・・・・。


武田真治の呉井役の演技が印象的で、物静かな役の主役の上川隆也の存在がかすんでしまう作品。呉井が12年前に犯した殺人と同じ手口で呉井を信奉する女性たちが殺されるが、犯人、動機、そして現実性どれもまさに机上の空論のごとく、リアル感ゼロ。どうも意外性、ミステリー性を強調するがあまり、リアル感がないため、作品全体をダメにしてしまう作品が最近多いような気がするが、この作品もその一つ。犯人があの○○(ネタばれになるので隠します)なら、映画の中でも殺人の経緯(殺人シーンや遺体処理など)を描写してほしいが、そういうところは一切ない説明不足感が残るのが残念。