意志 | 田窪一世 独白ノート

田窪一世 独白ノート

ブログを再開することにしました。
舞台のこと、世の中のこと、心の中のこと、綴っていきます。

2008年のアメリカ映画「ウォンテッド」千年前から神に代わって“運命の意志”を実践してきた秘密の暗殺組織のメンバーだった父が殺害されたことを知らされる平凡なサラリーマンのジェームズ・マカヴォイ。組織のボスから父の後を継ぐよう強制され不承不承訓練を始める、という荒唐無稽なアクション映画をつい先日観ました。

 

先輩の暗殺者アンジェリーナ・ジョリーの指導の下、撃った銃の弾丸の軌道を曲げて物陰に隠れている敵を倒す訓練のシーンがありました。彼は尋ねます。「どんな方法で?」そこへ組織のリーダーのモーガン・フリーマンが現れこう言います。「方法ではない、意志で曲げるのだ」と。

 

同じくアメリカの演技学校「アクターズ・スタジオ」では学生たちに対して講師はこう言います。「自分の力で世の中を変えたいと願わない人間は俳優になれない」

 

欧米では小学校の頃から「ディベート」という授業を行います。ある公的な主題について異なる立場から討論するという内容で、相手の理論を覆し、納得させるというものです。

 

意志の力で物事(相手役)を動かしていく。日本の俳優に不足している要素です。この部分を磨くしかチームプレイ(あるいは格闘)の演技は成立し得ないと考えています。