オーストリアの作曲家。
交響曲というものを発明した人でもあります。
彼の「驚愕」とう題名がついている交響曲には、
演奏の途中で眠ってしまう観客たちをびっくりさせるために、
静かな曲調のあとに突然大きな音を出す、
という仕掛けがあります。
そうかと思うと「告別」という曲では、
彼が仕えていた侯爵に抗議するために、
演奏の途中で楽団員がひとりづつ帰ってしまう、
ということをしたそうです。
そういえば、現代音楽の中にも、
ピアニストが登場してピアノの前に腰かけ、
音をさせずにゆっくり蓋を開けるのですが、
その後何もしないで30分座り続け、
再びゆっくり蓋を閉めて演奏を終了するというのがあります。
作曲家に言わせると、
30分の間に起きたすべての音、
つまり、観客のくしゃみの音だったり、
ざわめきだったり、
怒って出て行ってしまった観客の、
靴音だったりのすべてが音楽なのだ、
という理屈らしいのですが。
いいと思います。
こういう自由な発想が、新しいものを発見し、
発明してきたんだと思うのです。
クラシック音楽はこうでなければいけない、
などど言っている権威ある人々は、
実は才能のない人たちなのではないでしょうか。
▶︎赤坂