演出家 | 田窪一世 独白ノート

田窪一世 独白ノート

ブログを再開することにしました。
舞台のこと、世の中のこと、心の中のこと、綴っていきます。

 

昔、新劇の研究生だったころ、

演技についての質問は演出家にだけしてました。

 

俳優同士が自分の役や相手の役について、

質問したり相談したりすることは皆無でした。

と、言うよりむしろタブーだったのです。

演出家でもないのに人の役に口出しするなんて、

という考え方があったように思います。

 

演出家を差し置いて、

役者同士で話し合うことにも抵抗がありました。

つまり、まあ、いろんなものに縛られてたわけです。

 

僕はそれがずっと疑問でした。

だから、自分が劇団を作ったときに、

そのタブーを解禁しました。

ひとつの役をみんなで考える。

そのほうが楽しいし、より客観的になれます。

 

場合によっては自分が書いた戯曲でさえ、

劇団員たちのアドバイスが秀逸なときには、

躊躇なく書き換えるようにしました。

結果、実力以上の舞台が出来上がったように思います。

 

 

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