オスカー・ワイルド | 田窪一世 独白ノート

田窪一世 独白ノート

ブログを再開することにしました。
舞台のこと、世の中のこと、心の中のこと、綴っていきます。


男は女の最初の男になりたがり、

女は男の最後の女になりたがる。


「幸福な王子」という童話があります。

自分の体を飾っている宝石を、

ツバメに頼んで貧しい人々に、

届けて貰おうとする石像の王子の物語。

「サロメ」という戯曲があります。

自分の思い通りにならない、

予言者ヨカナーンの首を切らせる王女サロメの物語。


この両極端な物語を書いたのがオスカー・ワイルドです。

そして冒頭の言葉は彼の語録のひとつです。

アイルランド出身の詩人、作家、劇作家として、

耽美的、退廃的、

懐疑的な作品を数多く残し世紀末の旗手として、

多彩な文筆活動を行いました。

しかし、男色を咎められて収監され、

出獄後、失意から回復することなく没しました。


スイートとグロテスクの両方が、

共存していた芸術家のひとりです。

この人になぜか惹かれる自分がいます。



▶︎高田馬場