男は女の最初の男になりたがり、
女は男の最後の女になりたがる。
「幸福な王子」という童話があります。
自分の体を飾っている宝石を、
ツバメに頼んで貧しい人々に、
届けて貰おうとする石像の王子の物語。
「サロメ」という戯曲があります。
自分の思い通りにならない、
予言者ヨカナーンの首を切らせる王女サロメの物語。
この両極端な物語を書いたのがオスカー・ワイルドです。
そして冒頭の言葉は彼の語録のひとつです。
アイルランド出身の詩人、作家、劇作家として、
耽美的、退廃的、
懐疑的な作品を数多く残し世紀末の旗手として、
多彩な文筆活動を行いました。
しかし、男色を咎められて収監され、
出獄後、失意から回復することなく没しました。
スイートとグロテスクの両方が、
共存していた芸術家のひとりです。
この人になぜか惹かれる自分がいます。