映画やドラマの中には、
狂気の演技というものがあります。
日本の場合、特に女優さんに多いのですが、
自分の世界に入り込んで、
狂気を演じている人をよく見かけます。
いわゆる神懸かり的な演技というやつです。
そして、そういう演技は名演技として評価されます。
しかし、僕はそういう演技に疑問を感じます。
というより見ていて冷めてしまうのです。
なんかその女優さんがひとりで、
気持ちよくやってるように感じるのです。
それはあなたのじゃなくて本当にその人物の狂気なの?
アメリカやヨーロッパの女優さんでも、
昔はそういう「ひとりの世界の狂気」というのを、
よく見かけた記憶があります。
何故冷めるのか、
もしくは置いていかれるように感じるのか、
ひとつには狂ってしまう「理由」が、
具体的じゃないからだと思うのです。
そしてもうひとつは客観的じゃないから。
自分が狂うのではなく、
相手役が「この人狂ってるんじゃないか」と思わせる演技。
そういう客観的なアプローチが必要なんじゃないでしょうか。
最近のアメリカやヨーロッパの女優さんにはそれを感じます。
そして、そういう演技にこそ感動します。