狂気 | 田窪一世 独白ノート

田窪一世 独白ノート

ブログを再開することにしました。
舞台のこと、世の中のこと、心の中のこと、綴っていきます。


映画やドラマの中には、

狂気の演技というものがあります。


日本の場合、特に女優さんに多いのですが、

自分の世界に入り込んで、

狂気を演じている人をよく見かけます。

いわゆる神懸かり的な演技というやつです。

そして、そういう演技は名演技として評価されます。


しかし、僕はそういう演技に疑問を感じます。

というより見ていて冷めてしまうのです。

なんかその女優さんがひとりで、

気持ちよくやってるように感じるのです。

それはあなたのじゃなくて本当にその人物の狂気なの?


アメリカやヨーロッパの女優さんでも、

昔はそういう「ひとりの世界の狂気」というのを、

よく見かけた記憶があります。

何故冷めるのか、

もしくは置いていかれるように感じるのか、


ひとつには狂ってしまう「理由」が、

具体的じゃないからだと思うのです。

そしてもうひとつは客観的じゃないから。

自分が狂うのではなく、

相手役が「この人狂ってるんじゃないか」と思わせる演技。

そういう客観的なアプローチが必要なんじゃないでしょうか。


最近のアメリカやヨーロッパの女優さんにはそれを感じます。

そして、そういう演技にこそ感動します。



▶︎みりん