唐の玄宗皇帝は、楊貴妃とのロマンスで有名ですが、
芸能が好きで、自身も音楽の達人でした。
彼は宮廷の音楽奏者の子弟300人を選び、
宮廷内の梨園(梨の木のある庭)で、
みずから音楽を教え、舞なども勉強させました。
これを「皇帝梨園の弟子」と呼んだのだそうですが、
後に劇壇全体を「梨園」と呼ぶようになりました。
この故事に習って江戸時代、
歌舞伎の世界を「梨園」と呼ぶようになり、
これが現代に引き継がれているというわけなのです。
言葉の語源にはロマンが詰まっているように思います。
長年の謎がまたひとつ解けました。