保育園の年長さんの頃のことです。
僕の通っていた保育園では、
「手紙箱」というものを設置していました。
園児から園児へ。園児から先生へ。
毎日、手紙箱に入った手紙を、
先生がみんなの前で読んでくれるのです。
あるとき僕は弟の担任の先生に手紙を書きました。
「いつも弟の面倒をみてくださってありがとうございます」
ちょっと大人気取りで文章を綴りました。
ドキドキしながら待っていると、
いよいよ先生が僕の手紙を読み始めました。
先生はつっかえつっかえ読みにくそうに、
しかも、内容も支離滅裂な感じで読み進めていくのです。
え~っ、僕の書いた手紙って、
もっとちゃんとっしてたはずっ!
それは顔から火が出るくらい恥ずかしいひとときでした。
自分が子供であるということを思い知らされ、
主観と客観のズレを思い知らされました。
「客観性」を意識した、人生最初の出来事です。