客観性 | 田窪一世 独白ノート

田窪一世 独白ノート

ブログを再開することにしました。
舞台のこと、世の中のこと、心の中のこと、綴っていきます。


保育園の年長さんの頃のことです。

僕の通っていた保育園では、

「手紙箱」というものを設置していました。


園児から園児へ。園児から先生へ。

毎日、手紙箱に入った手紙を、

先生がみんなの前で読んでくれるのです。

あるとき僕は弟の担任の先生に手紙を書きました。

「いつも弟の面倒をみてくださってありがとうございます」

ちょっと大人気取りで文章を綴りました。


ドキドキしながら待っていると、

いよいよ先生が僕の手紙を読み始めました。

先生はつっかえつっかえ読みにくそうに、

しかも、内容も支離滅裂な感じで読み進めていくのです。

え~っ、僕の書いた手紙って、

もっとちゃんとっしてたはずっ!

それは顔から火が出るくらい恥ずかしいひとときでした。


自分が子供であるということを思い知らされ、

主観と客観のズレを思い知らされました。

「客観性」を意識した、人生最初の出来事です。



▶︎舞台装置