最後の仕上げをすることを、
「画竜点睛(がりょうてんせい)」と言い、
九分通り出来上がっているのに、
大事な一点が不足している場合を、
「画竜点睛を欠く」と言います。
中国の南北朝時代にある有名な画家がいました。
彼は安楽寺という寺から竜の壁画を依頼され、
見事な竜の絵を描いたのですが、
何故か睛(ひとみ)が入っていません。
その理由を問われた名人は、
「睛を入れたら竜が天に昇ってしまう」
と答えました。
それはいくらなんでも自信過剰だろうと言われ、
画家がしぶしぶ睛を入れると、
果たして、竜は本当に昇天してしまいました。
ちょっと大げさな話ですが、好きな言葉です。