世界中で対立しているキリスト教とイスラム教ですが、
実はそのルーツはどちらもユダヤ教の聖典、旧約聖書です。
ユダヤ教徒だったイエスを「神の子」と信じた人々が、
1世紀に開いたのがキリスト教で、
マホメット(ムハンマド)を「預言者」として、
7世紀にアラブの風土で生まれたのがイスラム教です。
2つの宗教はいわば兄弟関係なのです。
しかし、中世にはイスラム軍が、
スペイン、フランスにまで勢力を伸ばし、
逆に11~13世紀には、キリスト教徒の十字軍が、
アラブ世界を席巻しました。
その後も、イスラムのオスマン帝国が、
ヨーロッパを脅かしましたが、
19世紀には西欧キリスト教国が世界を制しました。
このお互い一歩も譲らぬ攻防は一神教、
つまり神様はひとりだけという概念が、
お互い真の宗教は自分たちだという主張に繋がっているのです。
本来、人間に安らぎをもたらすはずの宗教が、
戦争の口実に使われているという現実。
このことをキリストやマホメッドが知ったら、
いったいどう思うのでしょうか。
日本には八百万(やおよろず)の神様がいらっしゃいます。
良い意味でこの鷹揚で曖昧な発想、
これからは東洋思想の時代かもしれません。