旧約聖書 | 田窪一世 独白ノート

田窪一世 独白ノート

ブログを再開することにしました。
舞台のこと、世の中のこと、心の中のこと、綴っていきます。


世界中で対立しているキリスト教とイスラム教ですが、

実はそのルーツはどちらもユダヤ教の聖典、旧約聖書です。

ユダヤ教徒だったイエスを「神の子」と信じた人々が、

1世紀に開いたのがキリスト教で、

マホメット(ムハンマド)を「預言者」として、

7世紀にアラブの風土で生まれたのがイスラム教です。

2つの宗教はいわば兄弟関係なのです。


しかし、中世にはイスラム軍が、

スペイン、フランスにまで勢力を伸ばし、

逆に11~13世紀には、キリスト教徒の十字軍が、

アラブ世界を席巻しました。

その後も、イスラムのオスマン帝国が、

ヨーロッパを脅かしましたが、

19世紀には西欧キリスト教国が世界を制しました。


このお互い一歩も譲らぬ攻防は一神教、

つまり神様はひとりだけという概念が、

お互い真の宗教は自分たちだという主張に繋がっているのです。

本来、人間に安らぎをもたらすはずの宗教が、

戦争の口実に使われているという現実。

このことをキリストやマホメッドが知ったら、

いったいどう思うのでしょうか。


日本には八百万(やおよろず)の神様がいらっしゃいます。

良い意味でこの鷹揚で曖昧な発想、

これからは東洋思想の時代かもしれません。



▶︎近景