1991年、ヨーロッパアルプスの氷河で、
ミイラ化した男性の遺体が発見されました。
登山を楽しんでいた夫婦が偶然に見つけたもので、
あまりにきれいな状態だったため、
当初は遭難者だと思われました。
しかし調べてみるとそれはそれは遭難者ではなく、
なんと5300年前の人間であることがわかりました。
しかも氷で保存されていたため、
内蔵の残った状態で発見されました。
氷河に閉じこめられていたミイラは、
アイスマンと名付けられました。
その後の調査から色々なことがわかってきました。
身長159センチ、体重40キロ、
年齢は46歳と推定されました。
この時代の人間としては比較的長生きです。
そして驚くべきことも発見されました。
なんとレントゲン撮影によって、
石器の矢ジリが刺さっていることがわかったのです。
さらには体には複数の傷跡、
頭を殴られた跡まで見つかりました。
つまりアイスマンは何者かに殺された。
これは人類最古の殺人事件だったのです。
大昔の人間のことについては、
なかなかハッキリとはわかりません。
しかしアイスマンの発見により、
感情の行き違いから人間が殺人という行為にでることが、
太古の昔からあったことがわかったのです。