カバキコマチグモは日本全国に生息する小さな蜘蛛です。
蜘蛛の巣は作らず、
草むらを歩きながら昆虫を捕まえてエサにします。
たいていの昆虫は卵を産んでもそのまま放置し、
親が子供と顔を合わせることはありません。
しかしこの蜘蛛は違います。
卵を産んだあともしっかりと守り続け、
しっかりと面倒をみるのです。
葉っぱを丸めた巣を作り、10日がたった頃、
待ちに待った誕生の瞬間がやってきます。
子供たちは一斉に卵の殻を突き破って出てきます。
そして母親に群がり、
なんと母親を食べるのです。
子供たちが生まれて初めて食べるもの、
それは母親なのです。
母親はその体を差し出すことで最後の使命を全うするのです。
カバキコマチグモの生きざまを見ると、
親から子へ子からその子へと、
命をリレーしていくということがどういうことかがわかります。
これこそ究極の母性愛なのかも知れません。