カバキコマチグモ | 田窪一世 独白ノート

田窪一世 独白ノート

ブログを再開することにしました。
舞台のこと、世の中のこと、心の中のこと、綴っていきます。


カバキコマチグモは日本全国に生息する小さな蜘蛛です。

蜘蛛の巣は作らず、

草むらを歩きながら昆虫を捕まえてエサにします。

たいていの昆虫は卵を産んでもそのまま放置し、

親が子供と顔を合わせることはありません。


しかしこの蜘蛛は違います。

卵を産んだあともしっかりと守り続け、

しっかりと面倒をみるのです。

葉っぱを丸めた巣を作り、10日がたった頃、

待ちに待った誕生の瞬間がやってきます。

子供たちは一斉に卵の殻を突き破って出てきます。

そして母親に群がり、

なんと母親を食べるのです。


子供たちが生まれて初めて食べるもの、

それは母親なのです。

母親はその体を差し出すことで最後の使命を全うするのです。

カバキコマチグモの生きざまを見ると、

親から子へ子からその子へと、

命をリレーしていくということがどういうことかがわかります。


これこそ究極の母性愛なのかも知れません。



▶︎台場