オリンピックへの5つの提言 | 田窪一世 独白ノート

田窪一世 独白ノート

ブログを再開することにしました。
舞台のこと、世の中のこと、心の中のこと、綴っていきます。


テレビやラジオでおなじみの山田五郎氏が、

ラジオでオリンピックについて発言されていました。

あんまり素晴らしいのでここにご紹介します。


①湾岸地区の開発と活性化。

2008年のロンドン大会ではイースト地区の再開発を提唱し、

一定の成果をあげている。

日本でもバブル崩壊のあと、

ずっと湾岸地区の開発が滞っている。

元々晴海公園に国立競技場を作るという案もあったのだから、

ぜひこれを再検討して欲しい。

こちらのほうが選手村予定地よりも近いし、

例えば後々コンサート会場として使用するときも、

周りが海なので神宮外苑より騒音対策が簡単。

その一方で神宮外苑の跡地は、

緑地に戻して災害時の避難場所として確保する。

こちらのほうが都市計画としては合理的なんじゃないか。


②新しい水上交通網。

抜本的な改革は時間的にも無理だが、

せめて1964年のオリンッピクでの突貫工事で出来てしまった、

日本橋の上の首都高速道路を撤去して欲しい。

もうひとつ東京オリンピックのときに暗渠化されてしまった川。

例えば神宮外苑を緑地にするならば、

かつてあそこに流れていた渋谷川を復活させて欲しい。

本来江戸は川の街だったのだからこれらを復活させて、

新しい水上交通網を考えて欲しい。

渋滞の緩和や夏の暑さ対策に川の復活は有効。


③鉄道会社の案内サインの統一。

都内の電車のピクトグラフなどのシンボルマーク、

英語表記など現時点では電車会社によってバラバラ。

海外からの観光客どころか日本人にも分かりにくい。

オリンピックを機会に統一して欲しい。

その後の観光促進にも役立てることが出来るはず。


④WiFi環境を整備して欲しい。

都内ではやたらとWiFiのネットワークが多いにもかかわらず、

それを誰もが使えることは出来ない。

この機会に誰もがどこでも使える公共環境を整備して欲しい。


⑤都市インフラのIT化を進めて欲しい。

スペインなどではすでに実用化されているが、

道路に何万個ものセンサーを置いて、

交通情報をリアルタイムで管制センターに集めて、

信号の感覚とかを状況によって変えていったり、

ナビシステムを誘導したりして渋滞を緩和するという、

スマートモビリティシティがある。

たとえば選手村と会場を繋ぐ道路で、

完全自動運転システムを実験してみるとか、

オリンピック施設が集中している湾岸地区は、

勝どきも晴海も島だから、

そこの中だけを特区にして電力を自由化にしてみる。

湾岸だからソーラーだけじゃなくて、

風力発電、波発電などいろんな電力を実験する。

これまでオリンピクを開催した都市は、

北京もロンドンもどこも渋滞対策が大変だった。

東京オロンンピックは初の渋滞解消を目指すとか、

初の自給自足電力だとかそういうことを成し遂げて欲しい。



中国大返しという軍団大移動を敢行した羽柴秀吉。

大政奉還を画策した坂本龍馬。

関東大震災のあと帝都復興構想を提唱した後藤新平。

優れた政治家には才能がある。

金に糸目をつけずに立派な国立競技場を作る。

なんてセンスのない前時代的な発想なんだろう。

現代の日本の政治家に足りないのは「政治センス」だ。



▶︎近景