知識とか情報などは、
ノートに記録することで記憶しやすくなりますが、
色とか味覚など感覚的なことは、
メモをしても記憶出来ないのだそうです。
1996年にスクラーという学者が、
トップクラスのワインのソムリエを集めて、
何百種類もあるワインの味を、
どのように記憶するのかを調査しました。
すると彼らは一切メモを取っていなかったのです。
人間は言語的なことは書いて覚えるのが良いようですが、
感覚的なことは書いても覚えられないのです。
たとえば宮大工さんが神社仏閣を作るときも、
頭領は図面を書きません。
彼らは頭の中で図面を描くのだそうです。
材木を見ただけでそれがどの部分で使われるものか、
脳ですべて把握しているようで、
それどころか頭領たちは材料を材木から買うのではなく、
山に行って木そのものを買ってくるのだそうです。
木を眺めながら「この木はあそこの梁に良いのではないか」
などとイメージするのです。
感覚的なことはメモしないで、
脳に直接イメージさせることが大事なのですね。