「チキンとプラム、あるバイオリン弾き最後の夢」
マルジャン・サトラビ監督。マチュー・アマルリック主演。
マルチアーティストでもある女流監督が、
自作のコミックを実写化したファンタジー作品。
1958年のイラン。
生きる望みを失った主人公が絶食して、
死を待つまでの8日間の間に見た夢の物語。
過去から未来へ時系列を複雑に交錯させながら進んでいく。
実写映画だが、途中アニメになったり、
舞台装置のようなセットになったり、
特撮を駆使したりと不思議で美しい世界観が素晴らしい。
しかもこういうタイプの映画は、
映像美だけでストーリー性の希薄な作品が多いのだか、
この物語にはとても惹きつけられる。
登場人物たちの哀しみがジワリと心に染み込んでくる。
地味だがお勧めの映画です。
ちなみにバイオリニストを演じたマチュー・アマルリックは、
「潜水服は蝶の夢を見る」の主人公だった俳優。